ロボット、人工知能、ナッジ、認知バイアス、利己的遺伝子……吉川浩満氏の新著『人間の解剖はサルの解剖のための鍵である』(河出書房新社 2,376円/税込)は、 ポストヒューマン状況に生きる私たちに、「人間」ってなんだっけ?と問いかける。
カール・マルクスの断章をタイトルに借用したにはわけがある。もし人間から学ぶことができるサルがいたならば、そのサルは人間の犯した誤りを回避できるかもしれないからだ。コペルニクス、 ダーウィン、フロイトによって三度自尊心を傷つけられた人類は、進化と認知にかんする諸科学によって、 いま四度目の試練に直面している。主体性と合理性が切り崩された先にある「人間の定義」 とはなにか。試練を乗り切るために、動員されなければならない知恵と知見とはなにか。
「自分の幸福への無関心」(ハンナ・アレント)こそ、現在の私たちを捉えて放さないものだ、と見る國分功一郎さんは、「哲学だけでも科学だけでもたどり着けない、人間の未来/未来の人間。読者はここに、新しい「人間本性論」の到来を予感する。」と本書に推薦の辞を寄せてくださった。
また、注目される哲学者 マルクス・ガブリエル氏との対談を振り返り、すでに民主主義や基本的人権といった擁護すべき(規範的な)価値があるのに、私たちはそれを共有できているだろうか、できていないとすればどうすればよいか、それを過度に哲学的にならずに考えよう、と呼びかけている。
現代世界における新たな人間本性とはなんであるか、どういうものとして人間を定義すべきなのか。哲学にとっても科学にとっても大きな課題であるが、今回のイベントでは、現在あらわになりつつある「資本主義と民主主義」の失調は、その機能不全に過ぎないのか、理念それ自体に限界が含まれるのか……「人間と幸福のゆくえ」を見通し、人間本性の更新を前提に、人間解放の条件をさぐるために、語り合っていただく。
【参加条件】
代官山 蔦屋書店にて以下のいずれかをご予約、ご購入のお客様先着70名
1.書籍『人間の解剖はサルの解剖のための鍵である』+イベント参加券のセット(3,000円/税込)
2.イベント参加券(1,500円/税込)
【お申込み方法】
以下の方法でお申込みいただけます。
・店頭(1号館1階 人文フロア)
・お電話 03-3770-2525(人文フロア)
・オンラインストア
【ご注意事項】
*参加券1枚につきお一人様がご参加いただけます。
*イベント会場はイベント開始の15分前から入場可能です。
*当日の座席は、先着順でお座りいただきます。
*参加券の再発行・キャンセル・払い戻しはお受けできませんのでご了承くださいませ。
*止むを得ずイベントが中止、内容変更になる場合があります。
【プロフィール】
吉川 浩満(よしかわ・ひろみつ)
1972年生まれ。慶應義塾大学総合政策学部卒業。国書刊行会、ヤフーを経て、文筆業。関心領域は哲学・科学・芸術、犬・猫・鳥、卓球、ロック、映画、単車など。
主な著書に『理不尽な進化──遺伝子と運のあいだ』、『脳がわかれば心がわかるか──脳科学リテラシー養成講座』(山本貴光との共著)、『問題がモンダイなのだ』(山本との共著)があり、訳書にジョン・R・サール『マインド──心の哲学』(山本との共訳)、M・セットガスト『先史学者プラトン――紀元前一万年―五千年の神話と考古学』(山本との共訳)がある。
Twitter: @clnmn
國分 功一郎(こくぶん・こういちろう)
1974年生まれ。東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了。博士(学術)。東京工業大学リベラルアーツ研究教育院教授。専攻は哲学。
主な著書に『スピノザの方法』、『ドゥルーズの哲学原理』、『来るべき民主主義──小平市都道328号線と近代政治哲学の諸問題』、『統治新論――民主主義のマネジメント』(大竹弘二との共著)、『中動態の世界──意志と責任の考古学』(第16回〔2017年度〕小林秀雄賞受賞)などがあり、訳書にジャック・デリダ『マルクスと息子たち』、ジル・ドゥルーズ『カントの批判哲学』などがある。
Twitter: @lethal_notion
会期 / 2018年08月30日(木)
定員 / 70名様
時間 / 19:00~21:00
場所 / 蔦屋書店1号館 2階 イベントスペース
主催 / 代官山 蔦屋書店
共催・協力 / 河出書房新社
問い合わせ先 / 03-3770-2525
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オンラインストアでの受付は2018/8/28(火)午前9時の受注分までとさせていただきます。