2018年11月7日(水)

布施英利 × 港千尋トーク&サイン会「洞窟壁画 ヒトはなぜ絵を描くのか?」 『洞窟壁画を旅して ヒトの絵画の四万年』(論創社)刊行記念

logo_abc100
美術解剖学の第一人者、美術批評家として活躍し、多くの著作がある布施英利さんは、以前から、ラスコーなどの洞窟壁画に強い関心を持っていました。
それは、「人はなぜ絵を描くのか?」の根源だからです。また壁画の中には古代に描かれたとは思えない精緻で美しいものが数多くあり、日本でも近年、奈良などの古墳の壁画が注目を集めてきました。
昨年夏、布施さんは、欧州の洞窟壁画群を訪ねる旅に出ました。そして美術を学ぶ息子を伴い、その対話や感想をツィッター上で公開しました。
本書は、この旅行記と、訪れた日本の壁画なども含めた、これに関する思索が交互に章として登場するという特別な手法をとり、さらにツィッターの投稿もカラー写真とともに掲載しました。
これによって読者は布施さんの旅を追体験しつつ、数多くの洞窟壁画に触れて、現物を見に行きたいと思ったり、また、絵画とは何かを感じ、考えたりするかもしれません。
ブックデザインは気鋭のデザイナー、イラストレータの益子悠紀さんで、絵を見る子どもの脳の部分がのぞけるようになっています。
今回は、『洞窟へ――心とイメージのアルケオロジー』(せりか書房)という著作もある写真家、著述家、多摩美術大学教授の港千尋さんに、布施英利さんとの対談をお願いしました。
港さんは写真家としての活動とともに多くの批評、著作を発表し、文明論的視点から、現代に切り込む活動をされています。
さらに、国際的な美術展でコミッショナーや芸術監督としても活躍されています。
今回、お二人にはこの「洞窟壁画」を通して、絵画、美術、そしてヒトはなぜ絵を描くのか?という問題に切り込んで、絵画の本質について語っていただきたいと思います。

【プロフィール】
布施英利(ふせ・ひでとし)
美術批評家・解剖学者。1960年生まれ。東京藝術大学・美術学部卒業。同大学院博士課程修了(美術解剖学専攻)。学術博士。その後、養老孟司教授の下での東京大学医学部助手(解剖学)などを経て、現在に至る。解剖学と美術が交差する美の理論を探究している。著書には、28歳の大学院生のときに出した『脳の中の美術館』を皮切りに、『構図がわかれば絵画がわかる』『遠近法がわかれば絵画がわかる』『色彩がわかれば絵画がわかる』の三部作、『人体 五億年の記憶: 解剖学者・三木成夫の世界』など約50冊、養老孟司との共著『解剖の時間』、TYM344とのコラボ『わかりたい!現代アート』などがある。
本書と同時期に、『藤田嗣治がわかれば絵画がわかる』 (NHK出版新書)、『ヌードがわかれば美術がわかる』(集英社インターナショナル新書)も刊行された。

港千尋(みなと・ちひろ)
1960年神奈川県生まれ。写真家、著述家。多摩美術大学美術学部情報デザイン学科教授。早稲田大学政治経済学部卒業。パリを拠点に写真家として活躍。文明論的テーマを持ち、イメージと政治などをテーマにラディカルな知と創造のスタイルを提示。
2006年〈市民の色〉で伊奈信男賞受賞。2007年、第52回ヴェネチア・ビエンナーレ美術展日本館展示企画コミッショナー。2016年、あいちトリエンナーレ芸術監督。著書『記憶――創造と想起の力』(サントリー学芸賞)、『第三の眼』、『遠心力』、『自然 まだ見ぬ記憶へ』、『洞窟へ――心とイメージのアルケオロジー』、『影絵の戦い』、写真集『瞬間の山』、『文字の母たちLe Voyage Typographique』、『書物の変 グーグルベルグの時代』、『芸術回帰論』、『ヴォイドへの旅 空虚の力の想像力について』など多数。
最新刊『風景論-変貌する地球と日本の記憶』(中央公論新社)。

日程 / 2018年11月7日 (水)
時間 / 19:00~20:30 開場 18:30~
料金 / 1,350円(税込)
定員 / 50名様
会場 / 本店内 小教室
お問合せ先 / 青山ブックセンター 本店
電話 / 03-5485-5511
受付時間 / 10:00~22:00

チケットのご予約はこちら

イベント情報の詳細はこちら