2015年5月16日(土)

椹木野衣さん『アウトサイダー・アート入門』トーク&レクチャーシリーズ

椹木野衣トーク&レクチャーシリーズ「震災以後の世界~ジャンルの破壊と溶解。創造の地平を目指して」の第2回目は椹木さん初の新書そして初の書きおろしである『アウトサイダー・アート入門』(幻冬舎新書)の刊行を記念して開催します。ゲストは『アール・ブリュット アート 日本』の執筆・監修、さらにはボーダレス・ミュージアムNO-MAでのアール・ブリュットの展覧会をディレクションされるなど、アウトサイダー・アートに関する活動を精力的に行う保坂健二朗さんです。

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椹木さんは前著『反アート入門』(幻冬舎)にて、もはやアートは古典化しているとアートに反する姿勢をみせましたが、そんな古いアートから脱皮するための起爆剤が「アウトサイダー・アート」であると言います。

近年、日本でも「アウトサイダー・アート」をよく耳にするようになりました。まだまだ豊富であるとは言えないかもしれませんが、美術館の企画展や公募展などを通じ実際にアウトサイダー・アートを目にする機会が増えているとともに、日本のアウトサイダー・アートが海外で紹介される場も増え高い評価を得るなど、アウトサイダー・アートに目を向ける気運は高まっています。

では、一体、誰が、何がアウトサイダーなのか。何に対してアウトサイダーなのか。
そして、アウトサイダー・アートは「アート」に何をもたらすのでしょう。

今回は、保坂さん、椹木さんとともにアウトサイダー・アーティストたちの表現を見つめ、彼らの魅力とその可能性に迫ることで、これからのアートのあり方を考えるとともに、アウトサイダー・アートを通じ、芸術の根源をさぐり、創造の地平への接近を試みます。

椹木野衣さんからのメッセージ
「アウトサイダー・アート」という呼び名は、いろいろな矛盾を抱えている。
みずから「アウトサイダー」と名乗ってしまえば、アートの主流にはなりようがない。
けれども、考えてみればアーティスト自体が、世間に対してどこかアウトサイダーなのではなかったか?
いま、アーティストを既成の社会に組む込む動きが、どんどん進んでいる。
それはそれで悪いことではない。けれども、それだけではアートの根源に迫れない。
僕はこの本で「アートの根源」に迫りたかった。一緒に考える機会になれば幸いです。
椹木野衣トーク&レクチャーシリーズについて
2015年・春、東日本大震災後はじめてとなる美術批評家・椹木野衣さんの著書、『後美術論』(美術出版社)、『アウトサイダー・アート入門』(幻冬舎)が刊行されるとともに、椹木野衣さんもメンバーの一員であるユニット「グランギニョル未来(飴屋法水さん、赤城修司さん、山川冬樹さん)」が“見ることができない”展覧会「
Don’t Follow The Wind.
」への参加をすることで再始動しました。

このたび、そんな3つの刊行と再始動を記念し、椹木野衣さんのトーク&レクチャーシリーズ「震災以後の世界~ジャンルの破壊と溶解。創造の地平を目指して」を開催します。
それぞれの形態、内容、関わる人々は異なりますが、すべてにおいて「震災以後の世界」を念頭に置いたと椹木さんは言います。本トークシリーズでは、それぞれの書籍とプロジェクトを結合させることで、3つを貫く「震災以後の世界」をそれぞれの視点から掘り下げて考えていきます。
*第3回につきましては、詳細が決まり次第、
本WEBページにてお知らせいたします。

保坂 健二朗

保坂 健二朗

ほさか けんじろう

東京国立近代美術館主任研究員
1976年茨城県生まれ。慶應義塾大学大学院修士課程修了(美学美術史学分野)。2000年より同館に勤務。企画した主な展覧会に「建築はどこにあるの?」(2010)、「イケムラレイコ」(2011)、「Double Vision」(2012)、「フランシス・ベーコン展」(2013)、「現代美術のハードコアはじつは世界の宝である展」(2014)、「Logical Emotion」(2014)、「高松次郎ミステリーズ」(2014)など。 共著・監修に『キュレーターになる! アートを世に出す表現者』(フィルムアート社 2009)、 『福祉×美術×表現×魂』(3331 Arts Chiyoda 2013)、『アール・ブリュット アート 日本』(平凡社 2013)など。『すばる』『朝日新聞』で連載を持つ。

椹木 野衣

椹木 野衣

さわらぎ のい

美術批評家。1962年生まれ。著書に『日本・現代・美術』(新潮社、1998年)、『シミュレーショニズム』(増補版・ちくま学芸文庫、2001年)、『戦争と万博』(美術出版社、2005 年)、『なんにもないところから芸術がはじまる』(新潮社、2007 年)、『新版 平坦な戦場でぼくらが生き延びること 岡崎京子論』(イースト・プレス、2012 年)、『後美術論』(美術出版社、2015年)など。現在、多摩美術大学教授。

書籍情報

『アウトサイダー・アート入門』 (幻冬舎新書)

「アウトサイダー・アート」とは、障害者や犯罪者、幻視者など正規の美術教育を受けない作り手が、自己流に表現した作品群。40年間、小さなアパートで空想の戦争物語を挿絵とともに描き続けたヘンリー・ダーガー。手押しの一輪車を心の支えに33年間、石を運び、自分の庭に理想宮を作り上げたフェルディナン・シュヴァル。12歳で入った養護施設でちぎり絵と出会った山下清。彼らに通底するのは社会からの断絶によって培われた非常識な表現手法。逸脱者だからこそ真の意味で芸術家たりえた者たちの根源に迫る。

《これまでの椹木野衣トーク&レクチャーシリーズ》

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