2018年12月2日(日)

廣野由美子 × 野中モモ「『フランケンシュタイン』を書いたメアリー・シェリーとは?」 映画『メアリーの総て』公開記念

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今から200年前の1818年、小説『フランケンシュタイン』が匿名で出版されました。人造人間を生み出した天才科学者と捨てられた〈怪物〉がもたらす数奇な運命の物語は、奇怪小説やSF小説といった枠を超えてさまざまな解釈がなされ、現代にいたるまで、映画や演劇、小説、マンガ、アートなど様々な形で上演や翻案がなされてきました。しかし、その物語を18歳の女性が書いたことはあまり知られていません。彼女はどのような人物で、いかにしてこの物語を創作したのでしょうか。

このたび公開される映画『メアリーの総て』(12/15公開)は、今や古典的名作となった『フランケンシュタイン』の誕生の秘密に焦点を当てた作品です。19世紀初頭のイギリス社会で、10代のメアリー・シェリーがどのような家庭で育ち、いかに世間の偏見や抑圧、内面化されたジェンダーの歪みと格闘し、自らの声を託した物語を書き上げ、出版までこぎつけたのか。映画では、メアリーに扮したエル・ファニングが、素晴らしい演技を見せています。また、本作を監督したのは、サウジアラビアで初の女性監督となったハイファ・アル=マンスール(『少女は自転車にのって』)。200年前を舞台としながらも、メアリーの置かれた状況や人生を過去のものとせず、現代の女性にも通じる物語として描かれています。

B&Bでは、英文学者で、NHHの「100分de名著」でも『フランケンシュタイン』の回で講師を務めた廣野由美子先生と、『世界を変えた50人の女性科学者たち』など女性の歴史と文化にまつわる話題書の翻訳を手がけている野中モモさんをお迎えして、映画の公開を記念したトークイベントを開催します。メアリー・シェリーが『フランケンシュタイン』という小説に込めたものとは何だったのか。メアリーが生きた社会と人生について、現代の我々が生きる社会とも照らし合わせながら、ジェンダーの視点からも読み解きます。

『メアリーの総て』公式サイト

【出演者プロフィール】
廣野由美子(ひろの・ゆみこ)
英文学者。京都大学教授。
著書に『批評理論入門―「フランケンシュタイン」解剖講義』(中公新書)、『深読みジェイン・オースティン』(NHKブックス)、『謎解き「嵐が丘」』(松籟社)、『ミステリーの人間学-英国古典探偵小説を読む』(岩波新書)、『一人称小説とは何か-異界の「私」の物語』(ミネルヴァ書房)など多数。
翻訳書として、ジョージ・エリオット『ミドルマーチ』(光文社古典新訳文庫)を近刊予定。
NHKテレビ番組「100分de名著」では、メアリー・シェリー『フランケンシュタイン』、ジェイン・オースティン『高慢と偏見』の回に講師として出演。

野中モモ(のなか・もも)
ライター、翻訳家。東京生まれ。ロンドン大学ゴールドスミスカレッジで美術史修士課程を修了。
自主制作出版物オンラインショップ「Lilmag」の店主を務める。
共編著に『日本のZINEについて知ってることすべて』(誠文堂新光社)、単著に『デヴィッド・ボウイ』(ちくま新書)など。
訳書にレイチェル・イグノトフスキー『世界を変えた50人の女性科学者たち』(創元社)、ロクサーヌ・ゲイ『バッド・フェミニスト』(亜紀書房)、ルピ・クーア『ミルクとはちみつ』(アダチプレス)など多数。

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