現代アートの行き詰まりのさらにその先で、アートに代わる新たな“創造”のあり方を模索してきた熊倉敬聡。
「藝術2.0」を模索するなかで著者がめぐりあったのは、小倉ヒラクの「デザイン/アートとしての発酵」や、藤田一照の提唱する現代の坐禅であった。
先祖伝来培ってきた「冷たい」クリエーションへと「原点回帰」しつつも、それを現代の感性と美学=「熱い」クリエーションによって再デザインする藝術家2.0たち。
彼らとの出会いなくしては本書『藝術2.0』は生み出されなかっただろう。
刊行を記念して、本書のキーパーソンといえる二人と著者があらためて論を交わす。熊倉の見出した「藝術2.0」の(さらにその先の)姿は、藤田・小倉にどう映るのか。そこにあらたな“藝”は生み出されるのか。
※トーク終了後にはサイン会を予定しております。
【プロフィール】
熊倉 敬聡(くまくら たかあき)
1959年生まれ。パリ第7大学博士課程修了(文学博士)。
元慶應義塾大学教授、元京都造形芸術大学教授。
フランス文学・思想、特に詩人ステファヌ・マラルメの〈経済学〉を研究後、現代アートやダンスに関する研究・批評・実践等を行う。
大学を地域・社会へと開く新しい学び場「三田の家」、社会変革の“道場”こと「Impact Hub Kyoto」などの立ち上げ・運営に携わる。
主な著作に『瞑想とギフトエコノミー』(サンガ)、『汎瞑想』、『美学特殊C』、『脱芸術/脱資本主義論』(以上、慶應義塾大学出版会)などがある。
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藤田 一照(ふじた いっしょう)
1954年愛媛県生まれ。
東京大学大学院教育学研究科博士課程を中退し、曹洞宗僧侶となる。
1987年、米国マサチューセッツ州西部にある禅堂に住持として渡米、近隣の大学や仏教瞑想センターでも禅の講義や坐禅指導を行う。
2005年に帰国。神奈川県葉山町にて慣例に捉われない独自の坐禅会を主宰している。
著書に『現代坐禅講義』など、共著に『アップデートする仏教』など、訳書にティク・ナット・ハン『禅への鍵』など。オンライン禅コミュニティ磨塼寺住職。
小倉ヒラク(おぐら ひらく)
発酵デザイナー。
「見えない発酵菌たちのはたらきを、デザインを通して見えるようにする」ことを目指し、全国の醸造家や研究者たちと発酵・微生物をテーマにしたプロジェクトを展開。
東京農業大学で研究生として発酵学を学んだ後、山梨の山の上に発酵ラボをつくり日々菌を育てながら微生物の世界を探求している。
アニメ『てまえみそのうた』でグッドデザイン賞2014を受賞。
著書に『発酵文化人類学』『日本発酵紀行』。
YBSラジオ『発酵兄妹のCOZY TALK』パーソナリティ。
HP
日程 / 2019年7月10日 (水)
時間 / 19:00~20:30 開場 18:30~
料金 / 1,500円(税込)
定員 / 50名様
会場 / 本店内 小教室