人の心が、「科学的」に再編されていく過程で色褪せていった、隠喩的で、演劇的で、肉感的で、世界と一体化した知を取り戻そう(佐藤良明さん「序文」より)、という熱いメッセージのこもった1960年代のカウンターカルチャーの書でもありながら、世界の新しい理解の仕方、関わり方が求められる現在、なお古びないメッセージを発するモリス・バーマンの『デカルトからベイトソンへ 世界の最魔術化』。30年前の刊行当初、「序文」を書かれた佐藤良明さんと、翻訳を手がけられた柴田元幸さん、お二人による復刊記念トークイベントの開催です。30年前の思い出話とともに、本書の魅力を存分に語っていただきます。
柴田元幸
1954年生まれ。東京大学大学院人文科研究科博士課程単位取得退学。米文学者・東京大学名誉教授。翻訳家。『生半可な學者』で講談社エッセイ賞受賞、『アメリカン・ナルシス』でサントリー学芸賞。トマス・ピンチョン『メイスン&ディクスン』で日本翻訳文化賞受賞。アメリカ現代作家を精力的に翻訳するほか、著書も多数。文芸誌「MONKEY」の責任編集を務める。
佐藤良明
1950年生まれ。東京大学大学院人文科学研究科博士課程退学。米文学、ポピュラー音楽、英語教育。東京大学名誉教授。著書に『ラバーソウルの弾みかた』(日米友好基金賞受賞)『日本のうたはどう変わったか』など。訳書にグレゴリー・ベイトソン『精神の生態学』『精神と自然』、トマス・ピンチョン『重力の虹』など。現在ボブ・ディラン全詩の新訳を進めている。
日程:2019年8月24日 (土)
時間:18:00~19:30 開場 17:30~
料金:1,500円(税込)
定員:110名様
会場:本店 大教室
書籍情報
『デカルトからベイトソンへ 世界の再魔術化』(文藝春秋)
近代科学の成立によって、世界から魔術が失われた。大きなパラダイムチェンジを経て登場したのは、資本主義と科学思考によってできあがった単色の近代。しかし、あらゆる方面で行き詰まりが見られる現在、「世界の再魔術化」が必要だ。もっとカラフルでパワフルな新しい物語を生きるために。歴史的なパラダイムの変容を鮮やかに描き出した名著、30年ぶりの復刊。今こそ、この本に時代が追いついた。