2019年8月末、新刊『私は小説である』(幻戯書房)を上梓する、批評家の佐々木敦さん。サミュエル・ベケットと小島信夫という、20世紀を代表する作家二人の“ある共通性”の指摘から始まる本書は、〈小説にとって「私」とは何か?〉という(古くて新しい)問いに対する小説家たちの特異な試みをめぐる評論集であり、『あなたは今、この文章を読んでいる。』(2014年)『例外小説論』(2016年)『新しい小説のために』(2017年)などに続く小説論シリーズの一巻でもあります。
今回は、本書の装釘・組版デザインを手掛けた、制作集団「いぬのせなか座」の山本浩貴さんとhさんをお招きし、語り合って頂きます。おそらくその話題は、小説、上演、記憶、時間、人称、引用、記録、虚構、制作、レイアウト、など多岐にわたることでしょう。
「小説」にとって「私」とは何なのか? そして奇妙な書名の意味とは? どうぞご期待ください。
終了後、サイン会も開催いたします。
佐々木敦 ささき・あつし
1964年生まれ。批評家。音楽レーベルHEADZ主宰。文学、音楽、演劇、映画ほか、諸ジャンルを貫通する批評活動を行う。『批評時空間』『シチュエーションズ』『筒井康隆入門』『あなたは今、この文章を読んでいる。』『新しい小説のために』『アートートロジー』『この映画を視ているのは誰か?』など著書多数。
山本浩貴 やまもと・ひろき
1992年生まれ。制作集団「いぬのせなか座」主宰。同メンバーのhとともに、デザインや編集、パフォーマンスの制作を行うほか、雑誌等へ批評や創作を寄稿。主なテクストに「新たな距離 大江健三郎における制作と思考」(『いぬのせなか座』1号)、「制作的空間と言語 「あそこに私がいる」で編まれた共同体の設計にむけて」(『エクリ』)ほか。主な編集・デザインに「現代詩アンソロジー「認識の積み木」」(『美術手帖』2018年3月号)、吉田恭大『光と私語』(いぬのせなか座叢書3)、『これは演劇ではない DOCUMENT BOOK』(「これは演劇ではない」実行委員会)ほか。Twitter: @hiroki_yamamoto
h
1993年生まれ。「いぬのせなか座」メンバー。主なちいさな話に「盆のこと」(『いぬのせなか座2号』)、『2018.4』、「すべての少年」(http://inunoesa.tumblr.com)ほか。
日程:2019年9月4日 (水)
時間:19:00~20:30
開場 18:30~
料金:1,500円(税込)
定員:50名様
会場:本店内 小教室
チケットのご予約はこちら
書籍情報
『私は小説である』(幻戯書房)
「こんなことさえも小説には可能なのだということ、それだけが、ほんとうに重要なことなのだ」。サミュエル・ベケットに始まり、小島信夫、小沼丹、保坂和志、大江健三郎、村上春樹、蓮實重彦、円城塔、筒井康隆、磯崎憲一郎、古川日出男、坂口恭平、山下澄人、飴屋法水、そして再びベケットの方へ。「私」と「小説」の可能性を酷使し、拡張し、更新するための小説論。装丁はいま注目を集める制作集団「いぬのせなか座」の山本浩貴+h。