1961年の映画『去年マリエンバートで』が、10月25日(金)よりYEBISU GARDEN CINEMAを皮切りに全国で公開されます。
ヒロイン、デルフィーヌ・セイリグのオリジナル衣装を提供したシャネルのサポートのもと完成した、最高精細・最高解像の4Kデジタル完全修復版での上映となります。
<ヌーヴォー・ロマン>の旗手アラン・ロブ=グリエによる脚本を、<ヌーヴェル・ヴァーグ>の巨匠アラン・レネが監督。
映画史は『去年マリエンバートで』以前/以後で分けられる、といわれるほどの比類なき衝撃を与え、今なお多くの人々を魅了し続けている伝説的な名作です。
「史上最も難解な映画」と都市伝説のごとくまことしやかに語り継がれ、おびたたしいほどの分析・解釈がなされた本作ですが、今再び公開され、果たしてどう観られるのか。
東京封切りの前夜、最高のゲスト3名をお招きし、『去年マリエンバートで』の魅力、そしてその嗜み方を語っていただくイベントを開催いたします。
「一個人にその全仕事をフォローするのは不可能」との呼び声通り、音楽・映画・ファッション……あらゆる領域で不世出の痕跡を残す21世紀を代表するカルチャー・ヒーローであり、レネ同様“フロイディアン”を自称する菊地成孔さん。
テレビの人気バラエティ番組の放送作家を本業としながら、女性ファッション誌で各国の映画をポップに紹介する一方、新聞やネットでは世相を痛烈ににらむ。
いろんな場所から、唯一無二のまなざしで世界を看破する町山広美さん。
そして、世界的なミュージシャンにして、天才的なユーモアと想像力で<ヌーヴォー・ロマン、その後>を書き殴る作家であり、しかし何よりロブ=グリエの小説に長らく親しんできた中原昌也さん。
「全ては観客の頭の中で起こるのだ。」というレネ/ロブ=グリエの言葉通り、観る者・観る場所・観る時によって、万華鏡のごとく全く異なる姿を見せる本作。
では一体、どう観たら良いのか?
日本を代表する映画の語り部たちが一同に会し、『去年マリエンバートで』との付き合い方をレクチャーするまたとない機会。
すでに何度も見ている方も、今回初めて出会う方も、予備知識なしで楽しめること間違いなし!迷宮の、更なる深淵へと誘ってくれることでしょう。
寄せてくださった三者三様のコメントが教えてくれる通り予測不能、始まってみないとわからない一夜限りの豪華トークセッション! どうぞお見逃しなく。
【コメント】
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美しすぎる記憶の錯綜、迷宮としての美しいホテル、絶え間ないオルガンの美しい不協和音、美しいシャネルの服と美しいモノクロ撮影、美しい俳優と女優に、美しいほど難解な原作小説。
あらゆる美しさの贅を尽くして出来上がった、世界そのもののような、誰にも指一本触れられない厳格な存在性。
そして、4Kデジタルリマスタリングで蘇ったのは、驚くべきことに、シャネル・ムーヴィーとさえ言える、映画史上最も贅沢な、二度と作られることのないオートクチュールの広告動画。
―菊地成孔(音楽家/文筆家)
レネ晩年の作もロブ=グリエの監督作も過去になった未来にいて、再びこの迷宮へ入城する。
38歳の2人のアランの夢想を、女は高笑いで聞き、真顔で睨み返すべきだろう。
彼らは願う。永遠の! 未然の恋を!
―町山広美(放送作家)
どんな歴史的な名作よりも素晴らしい、揺るぎない「永遠」の愛がここにある!
オレはコレだけを信じて生きてくよ! ありがとう!
―中原昌也(ミュージシャン、作家)
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【出演者プロフィール】
菊地成孔(きくち・なるよし)
音楽家としてはソングライティング/アレンジ/バンドリーダー/プロデュースをこなすサキソフォン奏者/シンガー/キーボーディスト/ラッパーであり、文筆家としてはエッセイストであり、音楽批評、映画批評、モード批評、格闘技批評を多数執筆。
ラジオパースナリティやDJ、テレビ番組等々の出演も多数。
2013年、個人事務所株式会社ビュロー菊地を設立。
映画批評の著書に『ユングのサウンドトラック』など、ファッションについても『服は何故音楽を必要とするのか?』の著作がある。
町山広美(まちやま・ひろみ)
ADを経て、20歳で放送作家に。
バラエティー番組を持ち場として、現在の担当番組は『有吉ゼミ』『マツコの知らない世界』『MUSIC STATION』ほか。
『幸せ!ボンビーガール』ではナレーターも兼任。
映画レビューも女性誌を中心に多数執筆。
『In Red』の長期連載「レッド・ムービー、カモーン」では同時期に公開される2本の映画を同時に、『and GIRL』では「町山広美の女子力アップ映画館」と題したコラムを連載中。
中原昌也(なかはら・まさや)
80年代末からノイズユニット「暴力温泉芸者」を立ち上げ、97年からユニット名を「Hair Stylistics」に改め活動。
また、音楽活動と平行して小説家・画家としても活躍。
2001年に『あらゆる場所に花束が…』で三島由紀夫賞、2006年に『名もなき孤児たちの墓』で野間文芸新人賞、2008年『中原昌也作業日誌20042007』でBunkamuraドゥマゴ賞を受賞。
最新刊は、『パートタイム・デスライフ』『虐殺ソングブックremix』。
映画についての著作・対談集に『エーガ界に捧ぐ』『映画の頭脳破壊』など多数。
【重要なお知らせ】
10月1日からの消費税率の引き上げに伴い、チケット価格を変更いたします。
9月30日までにチケット購入の場合…
前売1500円+ドリンク500円(共に税込)=2000円
当日2000円+ドリンク500円(共に税込)=2500円
↓
10月1日以降にチケット購入の場合…
前売1500円+ドリンク500円(共に税別)=2200円
当日2000円+ドリンク500円(共に税別)=2750円
くわしくはこちらのページをご覧ください。
10月1日0時より自動的に価格が切り替わりますので、ご参加のお客さまはお早めにお申し込みください。
時間 _ 20:00~22:00 (19:30開場)
場所 _ 本屋B&B 東京都世田谷区北沢2-5-2 ビッグベンB1F
▼入場料
■前売1,500yen + 1 drink(税別)
■当日店頭2,000yen + 1 drink(税別)
※追加チケットは完売しました