2019年10月29日(火)

石井雅巳 × 池田喬 × 山本貴光「日本の哲学/日本語と哲学:言葉と思想を巡って」 『西周と「哲学」の誕生』(堀之内出版)刊行記念

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みなさんは、西周(にし・あまね[1829-1897])という名前を耳にしたことがあるでしょうか。

ご存じないとしても無理はありません。
幕末から明治にかけて活躍した思想家なのですが、残念ながらその著作は今日、なかなか手に入りづらいこともあって、あまり読まれることはありません。

しかし他方で、みなさんは知らず識らずのうち、西周のお世話にもなっています。
彼は、現在に続く日本語の恩人でもあるのです。
幕末から明治にかけて、ヨーロッパから文化を輸入する際、それまで日本語になかったたくさんの言葉を日本語に翻訳して言葉を造った人でした。

「哲学」や「概念」、「定義」、「理想」といった言葉は、現在でもよく使われていますが、西周が作り出した言葉(訳語)です。

ちょっと想像がつかないかもしれませんが、それはまだ日本に大学も高校もなかった時代、便利な辞書や文法書も十分揃っていなかった時代のことでした。
一体どのようにして、そんなことが可能だったのでしょうか。

西周は、翻訳だけなく、多方面で活躍した知識人でした。
幕末にオランダへ留学したのち、最後の将軍徳川慶喜の側近として日本発の憲法案を作成し、明治になってからは高級官僚として「大学条例」や悪名高き「軍人勅諭」の起草にも携わりました。
また、福澤諭吉らとともに日本最初の学術結社である明六社に参加し、数々の著作活動を行っています。

そんな百面相のような西周の活動をどう捉えるべきでしょうか。
あるいは、そこからなにが見えてくるのでしょうか。
石井雅巳『西周と「哲学」の誕生』(堀之内出版)は、哲学・日本語学・軍事論という3つの観点から考察することで、西周を「ことばの思索家」として捉え直したコンパクトな入門書です。

本イベントでは、西周の出身地である島根県津和野町役場で研究業務を行い、『西周 現代語訳セレクション』(慶應義塾大学出版)にも携わった著者の石井雅巳に加え、『「百学連環」を読む』(三省堂、2016年)を上梓され、哲学・思想や文学、コンピュータサイエンスなど様々な領域で活躍されており、現在は日本語文法に関する著書も準備されている文筆家の山本貴光さんと、ハイデガー研究を起点に、近年では現象学を基盤とした倫理学研究で多くの業績があり、「翻訳の哲学」や日本の哲学者(和辻哲郎や三木清など)にも大変造詣が深い池田喬さん(明治大学)をお招きし、西周の面白さや難しさ、日本(語)と哲学の関係などを中心に存分に語っていただきます。

哲学が気になる人や、日本語の歴史や翻訳について、幕末維新の歴史などに興味がある方、あるいは地方創生や大学改革に関心のある向きにもお楽しみいただける企画です。
西周についての予備知識は必要ありませんので、どうぞお気軽にご参加ください。

【参加条件】
代官山 蔦屋書店にて、いずれかの対象商品をご予約・ご購入頂いたお客様がご参加いただけます。

【お申込み方法】
以下の方法でお申込みいただけます。
①代官山 蔦屋書店 店頭 (1号館1階 レジ)
②お電話 03-3770-2525 (人文フロア)

【対象商品】
・書籍『西周と「哲学の誕生』(堀之内出版・1,600円/税抜)+イベント参加券(463円/税抜)セット2,063円(税抜)
・イベント参加券 1,389円(税抜)

※2019年10月1日に消費税率の変更が予定されております。
税込の金額は予約した日に関わらず、実際にお会計頂いた日の税率での計算となります。

【ご注意事項】
*参加券1枚でお一人様にご参加いただけます。
*イベント会場はイベント開始の15分前から入場可能です。
*当日の座席は、先着順でお座りいただきます。
*参加券の再発行・キャンセル・払い戻しはお受けできませんのでご了承くださいませ。
*止むを得ずイベントが中止、内容変更になる場合があります。

【プロフィール】
石井 雅巳 (いしい・まさみ)
1990年生まれ。慶應義塾大学大学院文学研究科後期博士課程。
NPO法人bootopia副代表理事。専門は哲学(レヴィナス、西周)。
単著に『西周と「哲学」の誕生』(堀之内出版)、共著に『西周 現代語訳セレクション』(慶應義塾大学出版会、2019年) 、『在野研究ビギナーズ:勝手にはじめる研究生活』(明石書店、2019年)、共訳書にグレアム・ハーマン『四方対象』(人文書院、2017年)がある。

池田喬 (いけだ・たかし)
1977年生まれ。明治大学文学部准教授。
専門はハイデガー、現象学、現代倫理学。
単著に『ハイデガー 存在と行為:『存在と時間』の解釈と展開』(創文社、2011年)、共編著に『生きることに責任はあるのか:現象学的倫理学への試み』(弘前大学出版会、2012年)、『映画で考える生命環境倫理学』(勁草書房、2019年)ほか。
論文に”Heidegger and the Question of Translation,” in New Phenomenological Studies in Japan, Springer, 2019ほかがある。

山本貴光 (やまもと・たかみつ)
1971年生まれ。ゲーム作家・文筆家。
著書に『投壜通信』(本の雑誌社、2018)、『文学問題(F+f)+』(幻戯書房、2017)、『「百学連環」を読む』(三省堂、2016)ほか。
共著に『脳がわかれば心がわかるか――脳科学リテラシー養成講座』(吉川浩満との共著、太田出版、2016)ほか。翻訳書にケイティ・サレン+エリック・ジマーマン『ルールズ・オブ・プレイ――ゲームデザインの基礎』(ニューゲームズオーダー、2019)ほか。『日本語文法小史』『記憶のデザイン』『科学の文体』(いずれも仮題)を執筆中。
twitter: yakumoizuru

会期 / 2019年10月29日(火)
定員 / 70名
時間 / 19:00~21:00(15分前に開場)
場所 / 蔦屋書店1号館 2階 イベントスペース
主催 / 代官山 蔦屋書店
共催・協力 / 堀之内出版
問い合わせ先 / 03-3770-2525

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オンラインショップでの受付2019年10月27日(日)午前9時の受注分までとさせていただきます。

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