小林エリカさんの最新小説『トリニティ、トリニティ、トリニティ』(集英社)の刊行を記念して、B&Bでトークイベントを開催します。
本作は、オリンピックを迎える2020年の東京を舞台に、開会式当日の朝から時系列に進む出来事に“見えざるもの”たちの歴史を絡めながらノンストップで駆け抜ける近未来小説。
マリ・キュリーが名づけた〈放射能〉の歴史を2011年生まれの少年と猫が案内するコミック『光の子ども』(リトルモア)や、国立新美術館で開催されたグループ展「話しているのは誰? 現代美術に潜む文学」で発表した、1940年の幻の東京オリンピックの聖火リレーに隠された事実などを扱ったインスタレーション作品ともリンクする内容で、著者が10年以上にわたって考えつづけてきた重層的なテーマが凝縮された形で描かれ、圧倒的な熱量をもって迫ってきます。
また同時に、本作は、祖母から母、そして娘と3代にわたる女たちの物語でもあります。
トークのお相手には、現代美術作家をめぐるドキュメンタリーの映画監督やテレビ番組のディレクターとして活躍し、近年は「女性性」をテーマに思索と創作を続け、文芸誌『すばる』に連載中のエッセイ「私たちはここにいる 現代の母なる場所」も話題の中村佑子さんをお招きします。
お互いに共通の関心を抱き、作品を通じて交流のあるお二人の、初めてとなる公開対談にぜひご期待ください。
【出演者プロフィール】
小林エリカ(こばやし・えりか)
1978年生まれ。作家・マンガ家。
目に見えない物、時間や歴史、家族や記憶をモチーフにした作品を様々なメディアで展開する。
著書に『親愛なるキティーたちへ』(リトルモア)、小説『マダム・キュリーと朝食を』(集英社)、コミック『光の子ども1,2,3』(リトルモア)、短編集『彼女は鏡の中を覗きこむ』(集英社)、作品集『忘れられないの』(青土社)、訳書にアンネ・フランク・ハウス編/日本語訳監修石岡史子『アンネのこと、すべて』(ポプラ社)など。
近年の展覧会に「最後の挨拶 His Last Bow」(2019年,Yamamoto Keiko Rochaix,ロンドン)、「野鳥の森 1F」(2019年,Yutaka Kikutake Gallery)、「トリニティ」(2017年,軽井沢ニューアートミュージアム)、グループ展に「話しているのは誰? 現代美術に潜む文学」(2019年,国立新美術館)、「更級日記考―女性たちの、想像の部屋」(2019年,市原湖畔美術館)など。
中村佑子(なかむら・ゆうこ)
1977年生まれ。映画監督・テレビディレクター。
慶應義塾大学文学部哲学科卒。
哲学書房にて編集者を経て、テレビマンユニオンに参加。
美術や建築、哲学を題材としながら、現実世界のもう一枚深い皮層に潜るようなナラティブのドキュメンタリーを多く手がける。
監督した映画に『はじまりの記憶 杉本博司』(2011年)、『あえかなる部屋 内藤礼と、光たち』(2017年)、テレビ演出作にWOWOW「はじまりの記憶 現代美術作家 杉本博司」(2012年)、NHK「幻の東京計画 首都にあり得た3つの夢」、NHK「建築は知っている ランドマークから見た戦後70年」などがある。現在、文芸誌『すばる』にてエッセイ「私たちはここにいる 現代の母なる場所」を連載中。
時間 _ 19:00~21:00 (18:30開場)
場所 _ 本屋B&B 東京都世田谷区北沢2-5-2 ビッグベンB1F
▼入場料
■前売1,500yen + 1 drink order
■当日店頭2,000yen + 1 drink order
2019年12月7日(土)