三田文学 創刊105年 連続講座 「言葉とコトバ」 【第二回】
2015年三田文学は、創刊から105年を数えることになります。
この雑誌には作家、詩人、戯曲家、批評家などの文学者からだけでなく、哲学者、芸術家など、さまざまな分野からの作品が寄せられました。それは今日にも生きている伝統になっています。
今回は各社のご協力をいただき、「言葉とコトバ」と題して3回にわたって、講演、対談を交えた連続講座を行わせていただくことになりました。哲学者井筒俊彦は、言葉には、言語を超える深層の働きがあり、それが文学はもちろん、哲学、思想的表現の源泉であると考えました。井筒はそれをあえて「コトバ」と表記することで独自の術語として用います。この講座では、三田文学にゆかりのある書き手の言葉にふれながら、皆さんと言葉の奥に潜む「コトバ」の働きと役割を考えるひとときを過ごすことができればと願っております。
連続講座
第一回
(終了しました)
日時:7月27日(月)19:00-20:30 講演:若松英輔
場所:紀伊國屋書店新宿本店 8階イベントスペース
テーマ:批評のコトバ―小林秀雄と美しい花
戦前に書かれた「当麻」「西行」「実朝」などの日本古典論をへて小林は、戦後「モオツァルト」「ランボオⅢ」を書きます。戦中、戦後の小林秀雄の作品にふれながら、彼の中で古い、しかし強い言葉が、新しくよみがえってゆく道程を考えてみたいと思います。
第二回
日時:8月24日(月)19:00-20:30 講演:若松英輔
場所:紀伊國屋書店新宿本店 8階イベントスペース
ご予約は8月1日(土)10:00より新宿本店3階にて承ります。
テーマ:哀歌の文学―遠藤周作と堀辰雄、あるいはリルケ
遠藤周作は批評家として出発します。フランスに留学するまでの期間に書いた批評作品に決定的な影響を与えたのが堀辰雄であり、堀を通じたリルケとの出会いでした。また、そこには哲学者吉満義彦の存在もあります。こうした先人の言葉を遠藤がいかに継承し、深化させたかを考えます。
第三回
日時:9月28日(月)19:00-20:30
場所:紀伊國屋書店新宿本店 8階イベントスペース
ご予約は9月1日(火)10:00より新宿本店3階にて承ります。
テーマ:異郷の文学、異教のコトバ―須賀敦子とイタリアの日々 講演:若松英輔
13年間にわたるイタリアでの生活で須賀敦子は、カトリックとしての信仰を深め、『コルシア書店の仲間たち』に描かれた同志、そして生涯の伴侶に出会います。それは同時に日本人であることを深く経験する日々でもありました。異郷で暮らす日々がいかに彼女の文学を形成したか、その道程を考えます。
若松英輔(わかまつ えいすけ)
批評家。読売新聞書評委員、『三田文学』編集長。1968年生まれ。慶應義塾大学文学部仏文科卒業。2007年「越知保夫とその時代 求道の文学」にて、第14回三田文学新人賞評論部門当選。主な著作に『井筒俊彦 叡知の哲学』(慶應義塾大学出版会、2011)、『死者との対話』(トランスビュー、2012)、『吉満義彦 詩と天使の形而上学』(岩波書店、2014)、『生きる哲学』(文藝春秋、2014)、『霊性の哲学』(角川学芸出版、2015)など多数。
連続講座第二回のご予約方法は下記、ご確認くださいませ。
日時:2015年8月24日(月) 19:00~20:30 (18:30開場)
場所:紀伊國屋書店新宿本店 8階イベントスペース
定員:45名
参加費:入場料1000円(当日、会場にてお支払いただきます)
参加特典として講座に関連した三田文学を進呈いたします。
※三田文学会員の方は入場無料となります。ご予約時にお申し出ください。(三田文学の進呈はございません)
三田文学会についてのお問い合わせは三田文学会事務局へご連絡ください。
三田文学会事務局
HP
http://www.mitabungaku.jp/index.html
電話番号 03-3451-9053
ご予約:2015年8月1日(土)より3階カウンターにてご予約を承ります。
お電話でのご予約も同日より承ります。3階直通 03-3354-5703