2020年1月18日(土)

川瀬慈 × 管啓次郎「あらゆる境界を揺れ動き、新たな場所と世界を立ち上げる」 『あふりこーーフィクションの重奏/遍在するアフリカ』(新曜社)刊行記念

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第6回鉄犬ヘテロトピア文学賞を受賞された川瀬慈さん編著の新刊『あふりこーーフィクションの重奏/遍在するアフリカ』が新曜社よりついに刊行されました。
 
ストリートで、海辺で、高層ビルの陰で、農家のガスランタンの前で、豊饒な神話たちは呼吸し、思考し、むこうからこちらにリーチしてくる。
それらとの濃密な交感を通し、自己の輪郭をぼやかされ、他者との境界を溶解させられる瞬間。
神話の生命と熱量に押されせかされ、我々はまた身振り手振りを交えて、物語りはじめるのだ。

(同書「結びにかえて」より)
 
ページを開いたとたん、そこに立ち現れる、気鋭の人類学者たちによる恐るべき「物語」たちは、私たちの「自己」という輪郭をぼやかし、他者との境界を溶解するようせかし、そそのかしてきます。
 
本書の刊行を記念し、川瀬さんが尊敬してやまない、『犬探し/犬のパピルス』(Tombac)を刊行されたばかりの詩人/比較文学研究者/翻訳者の管啓次郎さんをお招して、おふたりのトークイベントを開催します! 鉄犬ヘテロトピア文学賞の選考委員でもいらっしゃる管さんは、この驚愕の1冊をどう読まれたのでしょうか。
お二人初のがっつりした対話、そして、この日しかおそらく見ることのできない貴重なパフォーマンスにも乞うご期待!
 
空気の澄んだ冬の午後、あたたかくしてどうぞおでかけください。
特別な時間をぜひともご一緒しましょう。
 
【出演者プロフィール】
川瀬慈(かわせ・いつし)
1977年生まれ。
京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科博士課程修了後、 マンチェスター大学グラナダ映像人類学センター研究員を経て、現在、国立民族学博物館/総合研究大学院大学准教授。専門は映像人類学、民族誌映画。
2001年より、アフリカ、主にエチオピア北部の地域社会で活動を行う吟遊詩人、楽師たちの人類学研究を行い、同時に人類学、シネマ、現代アートの実践の交差点から、映像、写真、音を用いた話法を探究。
著書に『ストリートの精霊たち』(世界思想社、「第6回「鉄犬ヘテロトピア文学賞」受賞)、共著書に『見る・撮る・魅せるアジア・アフリカ!――映像人類学の新地平』(新宿書房)、『フィールド映像術』(古今書院)、『アフリカン・ポップスーー文化人類学からみる魅惑の音楽世界』(明石書店)。
映像作品に『Room 11, Ethiopia Hotel』(イタリア・サルデーニャ国際民族誌映画祭にて「最も革新的な映画賞」受賞)、『ラリベロッチ――終わりなき祝福を生きる』、『精霊の馬』など。
 
管啓次郎(すが・けいじろう)
1958年生まれ。
明治大学理工学部および大学院理工学研究科建築・都市学専攻総合芸術系教授(コンテンツ批評、映像文化論)。
詩人、比較文学研究者、翻訳者、エッセイスト。
2010年の第一詩集『Agend’Ars』以降、『島の水、島の火』『海に降る雨』『自制論』『数と夕方』『狂狗集Mad Dog Riprap』(いずれも左右社)、英文詩集Transit Blues(University of Canberra)を発表。
また、『Agend’Ars』四部作からの選集(西日併記)が、Agend’Arsとしてメキシコで、Transit Bluesスペイン語版がスペインで出版されている。
最新の詩集に『犬探し/犬のパピルス』(Tombac)。
これまでに、キューバ、アメリカ、トルコ、モロッコ、フィンランドはじめ、十数か国の詩祭および大学で、日・西・英・仏の各語による招待朗読を行った。
エッセイストとしては読売文学賞を受賞した『斜線の旅』(インスクリプト)ほか多数。
仏西英からの翻訳者としては、エドゥアール・グリッサン『関係の詩学』『第四世紀』(いずれもインスクリプト)をはじめ、30冊ほどの訳書がある。
 
時間 _ 15:00~17:00 (14:30開場)
場所 _ 本屋B&B 東京都世田谷区北沢2-5-2 ビッグベンB1F
▼入場料
■前売1500円+ドリンク500円(ともに税別)
■当日2000円+ドリンク500円(ともに税別)

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