1月31日(金)に公開される映画『母との約束、250通の手紙』の公開を記念して、原作者ロマン・ガリの生涯と作品の魅力、映画の見どころを語るトークイベントを開催します。
フランスで人にとってロマン・ガリ(1914-1980)は、何よりフランスで最も権威ある文学賞のゴンクール賞を史上唯一、二度受賞した作家として知られています。
ユダヤ系ロシア移民として1935年にフランス国籍を取得した彼は、ナチス占領時代にド・ゴ−ルの呼びかけに応じて自由フランス空軍に参加し「解放同志」の称号を受け、戦後は外交官として働きながらいくつもの変名で作家として活躍、映画監督でもあり、女優ジーン・セバーグと結婚するという複数の顔を持ちながら、1980年に拳銃で自殺するという波乱万丈の人生を送りました。
映画『母との約束、250通の手紙』は、そんなロマン・ガリの幼少期から作家になるまでの半生を描いた自伝的作品『夜明けの約束』(1960年/邦訳が共和国より発売中)を映画化した作品です。
ユダヤ系ロシア人でありながらフランス国籍を取得し、フランスを誇りとすることで息子の未来を切り開こうとした母をシャルロット・ゲンズブールが、母の夢を叶えようと邁進しレジスタンスの英雄にして作家となる息子ガリを俊英ピエール・ニネが演じて、フランス本国で100万人を動員する大ヒットを記録しました。
本イベントでは、フランスのカルチャーにも造詣が深いサエキけんぞうさんと、このたびロマン・ガリの遺作『凧』(1980年)を翻訳された永田千奈さん(1月末に共和国より刊行予定)をゲストに向かえ、フランスで国民的支持を得る母子の物語の秘密に迫ります。
映画『母との約束、250通の手紙』
2020年1月31日(金)新宿ピカデリー、シネスイッチ銀座、YEBISU GARDEN CINEMAほか全国ロードショー
【出演者プロフィール】
サエキけんぞう(さえき・けんぞう)
ミュージシャン、作詞家、プロデューサー。
1958年千葉県生まれ。徳島大学歯学部歯学科卒業。
大衆音楽(ロック・ポップス)を中心とした現代カルチャーに造詣が深く、各種メディアでの執筆も手がけ、大学講師もつとめる他、TV番組の司会、映画出演など多方面で活躍。
著作に、第24回ミュージック・ペンクラブ音楽賞ポピュラー部門著作出版物賞を受賞した『ロックとメディア社会』(新泉社)、『ロックの闘い 1965−1985』(シンコーミュージック)、『エッジィな男 ムッシュかまやつ』(リットーミュージック/共著)など。
アーティストとしては『ハルメンズの近代体操』(1980年)、パール兄弟名義の『未来はパール』(1986年)他、多数のアルバムを発表。
プロデューサーとしても様々な企画を勢力的に展開している。
永田千奈(ながた・ちな)
翻訳家。早稲田大学第一文学部フランス文学専修卒。
訳書に、シュペルヴィエル『海に住む少女』『ひとさらい』、モーパッサン『女の一生』、ルソー『孤独な散歩者の夢想』、デュマ・フィス『椿姫』、ラファイエット夫人『クレーヴの奥方』(以上、光文社古典新訳文庫)、シビル・ラカン『ある父親』(晶文社)、リュドヴィック・ルーボディ『サーカスの犬』(光文社)、アンヌ・モレリ『戦争プロパガンダ10の法則』(草思社文庫)、ドミニク・ボナ『印象派のミューズ』(白水社)など多数。
新訳書であるロマン・ガリの遺作『凧』(共和国)を1月末に刊行予定。
時間 _ 15:00~17:00 (14:30開場)
場所 _ 本屋B&B 東京都世田谷区北沢2-5-2 ビッグベンB1F
▼入場料
■前売1500円+ドリンク500円(ともに税別)
■当日2000円+ドリンク500円(ともに税別)