桃山時代の茶人たちは、器のヒビに美を見出し、あえて金で修復しすることで、⽋点を個性に⽣まれ変わらせる「継」という技法を使いました。
中には割れていた器を継ぐだけでなく、わざと器を割ってつなぎ直したり、さらには欠けた部分に別の器の破片を組み合わせる「呼継ぎ(よびつぎ)」ということも行われていました。
この日本独自の『継』という美意識を表現の礎として、世界で活躍するガラス造形作家 西中千人。
銀座 蔦屋書店は彼の作品に、日本伝統文化である「継」に根差した新しい表現の可能性を感じ、「ガラス造形作家 西中千人作品展示 ガラス呼継―叩き壊して生まれ変わる―」を開催いたします。
今回はこの作品展示を記念し、あえて作品を壊し、継ぐことで新たな作品を創作する異色のアーティスト、ガラス造形作家 西中千人が、創作に対する想いを存分に語ってもらいます。
聞き役:銀座 蔦屋書店日本文化コンシェルジュ 佐藤 昇一
【プロフィール】
西中千人 (にしなか ゆきと)
ガラス造形作家。1964年 和歌山市生まれ。
星薬科大学薬学部卒業後、薬剤師免許取得。
カリフォルニア美術大学で彫刻とガラスアートを 学ぶ。
「命の煌めき・再生」をテーマに、古の日本の美にインスパイアされた独自のガラス表現を追求。
代表作は金継の美意識を礎とした「ガラスの呼継」と 命のつながりをメッセージとした「ガラスの枯山水」。
近年は資源循環で持続型社会を目指すアート( SDGs x ART)に取り組む。
世界最初の大学博物館であるオックスフォード大学 アシュモレアン博物館(イギリス)に呼継盌「黎明」と呼継茶入「有明」が収蔵された。
パリ装飾美術館「ジャポニスムの 150 年展」(2018年)、香港大学美術博物館「藝流不息展」(2019年)やイギリス、フランス、アメリカ、香港のアートフェアに毎年出品。
2019年に創作活動歴30年を迎えた。
第1回ガラスの美展 in 薩摩 大賞、WIRED 主催 CREATIVE HACKAWARD 2013 グラフィック賞、ドイツWorld Media Festivals 金賞 等受賞。
世界初リサイクルガラスの枯山水「つながる」を2019年5月京都法然院に奉納。
毎年約2ヶ月間日本を離れ、自分を見つめ直し過去の集積をリセットする旅に出る。
世界54ヵ国を巡った異文化体験は創造力の源。
「未来の伝統を今、作る」を哲学として活動。
2002年 千葉県茂原市に工房を築き、以後 都市生活との程よい距離を保っている。
オフィシャルサイト
[トークイベント開催日時]
会期:2020年12月18日(金)
時間:19:00~20:00
会場:銀座 蔦屋書店 BOOKイベントスペース
[参加条件]
イベントチケット予約・販売サービス「Peatix」にて、お申込みいただいたお客様
[参加費]
無料
会期 / 2020年12月18日(金)
時間 / 19:00~20:00
場所 / BOOK EVENT SPACE
主催 / 銀座 蔦屋書店
定員 / 30名
問い合わせ先 / 03-3575-7755