ソーシャルディスタンスの徹底、手を洗う回数の増加、オンラインを介したコミュニケーション、感染防止対策における手袋の使用……
新型コロナウイルスの感染拡大によって、他者との接触が厳しく制限されたいま、私たちの手を使ったコミュニケーションのかたちはめまぐるしく変化しています。
「さわる/ふれる」という観点から、情報伝達を超えた人と人との関係性に迫る『手の倫理』。人間の歴史を「手を使って行うことの変化」として捉えた『ハンズ 手の精神史』。
「手」をテーマにした両書から、私たちがこの非接触時代をどのように捉え直すことができるのかを探っていきます。
ご登壇者は、『手の倫理』の著者で美学者の伊藤亜紗さん、『ハンズ』の翻訳者で精神病理学を専門とされる松本卓也さん、牧瀬英幹さん。身体、ケアや臨床、精神分析の観点から、どのような話が展開されるのか。いま注目の研究者たちが会する鼎談をお聞き逃しなく。
出演者=伊藤亜紗・松本卓也・牧瀬英幹
進 行=梅原志歩(左右社)
日程
2021年2月13日 (土)
時間
17:00〜18:30
料金
1,320円(税込)
定員
100名様
会場
※WEB会議ツール「Zoom」を使用して実施します。
※WEB会議ツール「Zoom」を使用して実施します。passmarket-master@mail.yahoo.co.jp (配信専用アドレス)より前日21時過ぎと当日15時過ぎにウェビナー登録のURLをお送りします。どちらかで登録をお願いいたします。(URLの共有は禁止いたします。)
※インターネットに接続したパソコンや、タブレット端末、スマートフォンが必要になります。
※スマートフォン、タブレット端末の場合、事前に「Zoom」のアプリダウンロードが必要です。
伊藤亜紗 いとう・あさ
2010年に東京大学大学院人文社会系研究科基礎文化研究専攻美学芸術学専門分野博士課程を単位取得のうえ退学。同年、博士号を取得(文学)。専門は美学、現代アート。現在、東京工業大学科技術創成研究院未来の人類研究センター長。
主な著作に『目の見えない人は世界をどう見ているのか』(光文社)、『どもる体』(医学書院)、『記憶する体』(春秋社)などがある。
松本卓也 まつもと・たくや
高知大学医学部卒業、自治医科大学大学院医学研究科修了。博士(医学)。専門は精神病理学。現在、京都大学大学院人間・環境学研究科准教授。
著書に『人はみな妄想する ジャック・ラカンと鑑別診断の思想』(青土社)、『発達障害の時代とラカン派精神分析 〈開かれ〉としての自閉をめぐって』(共著、晃洋書房)、『創造と狂気の歴史 プラトンからドゥルーズまで』(講談社)、『心の病気ってなんだろう?』(平凡社)など。訳書にヤニス・スタヴラカキス『ラカニアン・レフト ラカン派精神分析と政治理論』(共訳、岩波書店)、『現実界に向かって ジャック=アラン・ミレール入門』(人文書院)がある。
牧瀬英幹 まきせ・ひでもと
京都大学大学院人間・環境学研究科博士後期課程修了。博士(人間・環境学)。専門は、精神分析、精神病理学、描画療法。現在、中部大学生命健康科学部准教授。
著書に、『精神分析と描画 「誕生」と「死」をめぐる無意識の構造をとらえる』(誠信書房)、『発達障害の時代とラカン派精神分析 〈開かれ〉としての自閉をめぐって』(編著、晃洋書房)、『描画療法入門』(編著、誠信書房)がある。
書籍情報
伊藤亜紗『手の倫理』(講談社選書メチエ)
人が人にさわる/ふれるとき、そこにはどんな交流が生まれるのか。
介助、子育て、教育、性愛、看取りなど、さまざまな関わりの場面で、コミュニケーションは単なる情報伝達の領域を超えて相互的に豊かに深まる。
ときに侵襲的、一方向的な「さわる」から、意志や衝動の確認、共鳴・信頼を生み出す沃野の通路となる「ふれる」へ。相手を知るために伸ばされる手は、表面から内部へと浸透しつつ、相手との境界、自分の体の輪郭を曖昧にし、新たな関係を呼び覚ます。
目ではなく触覚が生み出す、人間同士の関係の創造的可能性を探る。
定価:1,600円+税 ISBN:978-4-06-521353-7
ダリアン・リーダー著、松本卓也・牧瀬英幹訳『ハンズ 手の精神史』(左右社)
ラカン派気鋭の研究者が描く、手をめぐる文化・精神の歴史。
アダム・スミスの「神の見えざる手」からディズニー映画「アナと雪の女王」まで、人間の歴史を「手を使って行うことの変化」として読み直す。
文化や歴史、心理学や精神分析の理論を横断しながら、自分自身や他者との関係、現代に潜む病理を、ユーモアを交えつつ鋭く描き出していく。
定価:2,200円+税 ISBN:978-4-86528-295-5