2020年、会議から診療まで、社会は一気にオンライン化しました。
自宅にいながらにして世界中にアクセスできる「どこでもドア」的な恩恵も多い一方、実際に会うこと、移動すること、身体的接触など、人類の歴史上「あたりまえ」すぎたことへの制限は、少なからなぬ孤独感や不自由さを伴います。
リアルでしか経験できない「触れる」が貴重なものになり、身体性について気づくことも多いこの頃、人間の多様な感覚について考え続けてきた、伊藤亜紗さん、西村ユミさんのお二人による特別対談を実施します!
伊藤亜紗さんは『記憶する体』を中心とした業績で第42回サントリー学芸賞(社会・風俗部門)を受賞。
最新刊『手の倫理』では、「さわる」と「ふれる」の違いを、介助、子育て、教育、性愛、看取りなど、さまざまな関わりの場面でのコミュニケーションに見出し、視覚優位になりがちな私たちの身体性を触覚から改めて問い直します。
『目の見えない人は世界をどう見ているのか』『どもる体』など、「障害」を持つ人々の感覚世界を伝えてきた伊藤さんだからこそ書けた一冊です。
西村ユミさんは、看護師として植物状態患者と接するなかで、医学が「意識はない」の一言で済ませてしまう患者たちの表現や個性を目の当たりにし、明らかにコミュニケーションが成立していたことを確信します。
現在の自然科学では言い表せないが、確かにそこにあった「何か」、それを探究したのが、『語りかける身体』です。
医療やケアの現場のみならず、頭と体が切り離されがちな現代を生きる全ての人へのヒントが詰まった一冊です。
オンライン時代、感覚を総動員したコミュニケーションはいかに可能なのか。
「触れる」を切り口に、たくさん語っていただきます。
お見逃しなく!
【プロフィール】
伊藤 亜紗 (いとう・あさ)
東京大学大学院人文社会系研究科美学芸術学専門分野博士課程修了(文学博士)。専門は美学、現代アート。
現在、東京工業大学科学技術創成研究院未来の人類研究センター長。
リベラルアーツ研究教育院准教授。
主な著書に『目の見えない人は世界をどう見ているのか』(光文社新書)、『目の見えないアスリートの身体論』(潮新書)、『どもる体』(医学書院)、『記憶する体』(春秋社)、『ヴァレリーの芸術哲学、あるいは身体の解剖』(水声社)ほか。
西村 ユミ (にしむら・ゆみ)
東京都立大学健康福祉学部看護学科教授。看護師。日本赤十字看護大学卒業。
神経内科病棟での勤務などを経て、日本赤十字看護大学大学院看護学研究科博士後期課程修了。
長年にわたる医療現場でのフィールドワークをもとに、現象学・身体論を手がかりとして看護ケアの意味を探究する。
臨床実践の現象学会主宰。
おもな著書に『交流する身体』『看護実践の語り』『看護師たちの現象学』『急性期病院のエスノグラフィー』ほか。
【参加条件】
イベントチケット予約・販売サービス「Peatix」にて、いずれかの対象商品をご購入いただいたお客様がご参加いただけます。
【対象商品】
・イベント参加券 1,300円(税込)
・書籍『手の倫理』(講談社・1,780円/税込)+イベント参加券(1,000円/税込) セット 2,780円(税込)
・書籍『語りかける身体』(講談社・1,221円/税込)+イベント参加券(1,000円/税込) セット 2,221円(税込)
・書籍『手の倫理』(講談社・1,780円/税込)+書籍『語りかける身体』(講談社・1,221円/税込)+イベント参加券(500円/税込) セット 3,501円(税込)
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受付締め切り: 2021年1月30日(土) 19:00まで