2015年12月13日(日)

【東京/福岡/通信】本気で小説家を目指す「天狼院文芸部(小説家養成ゼミ)」開講〜本屋がバックアップする新しいかたちの小説家養成講座〜《初回振替講座2回有》

第1講《12月前/東京・福岡12月13日(日)17:00〜19:00》
*第1講のみ動画での振替講座(スクリーンでの上映)を準備しております。
第1講振替講座① 東京・福岡 12月19日(土)11:00〜13:00
第1講振替講座② 東京・福岡 12月21日(月)19:30〜21:30
*通信受講は第1講12月21日配信予定
ー天狼院書店とはー

現在、池袋、表参道、福岡に3店舗店を構える書店。本を読むだけでは得ることのできない体験や知識『READING LIFE』の提供をテーマに掲げ、イベントの開 催、カフェ事業、映画館事業などを通して様々な体験を提供している。

ー天狼院の「部活」とはー
プロの方を顧問の先生としてお迎えし。お客様が部員となって、活動していくお客様主体のイベント。通年ではなく毎回テーマの異なる単発のイベントのため、毎回3割程度の人が初参加。

19歳で一人上京した僕は、都会での大学生活に馴染めず、すぐにドロップアウトした。
入学して早々に、大学には行かないことに決めた。

映画を作るために、映画を学ぶ学校に入ったのだが、その原作である、小説を作ることに心を惹かれ、以降、現実世界から逃げるようにして、自儘に構築した小説の世界に逃れた。

小説家になるという「夢」を大義名分として、いわば現実世界への盾として、僕は自らの世界に立て籠もったのだ。
読んでもらえるあてもなく、僕は日々、破綻した小説を書き続けた。

恋をしては破れ、破れては恋をし、そのうさを晴らすべく小説を書いた。

図書館に籠もり、資料を読みあさり、一端の小説家になったつもりで資料をまとめて、その知識をこれ見よがしにひけらかすような「誰得?」な小説を書き続けた。
書き続けることだけが、僕が生きていい理由のような気がしていた。

有り体に言えば、そう、信じていた。

それでいて、誰にも書いたものを見せたくはなかった。
まさに『山月記』で虎になった李徴のように、当時の僕は「臆病な自尊心」と「尊大な羞恥心」の狭間で日々、苛まれていた。

世の中はかくも生きづらく、なぜ自分の才能を誰も認めてくれないだろうかと、日々、自分以外の全てのものを呪っていたんだろうと思う。

ある日の深夜、所沢のバイパス沿いのファミレスで、よく止まる、貝殻のかたちをしたアップルのiBookというノートパソコンでいつものようにしがみつくようにして小説を書いていると、目の前にどこかで見覚えのあるような、それでいて、おそらく会ったことのない、ほとんどスキンヘッドの男が目の前に座った。

厄介なことに巻き込まれたと思って、内心、舌打ちをした。
無視をしようと思った。
面倒なことになりそうなら、席を移ろうと思った。

「そんなつまらない小説を書いて、どうするつもりだ」

と、その男は鼻で笑うようして言った。

思わず、視線を上げてみると、ふと、目が合った。
思いがけず、その男の目は、嘲笑っているのではなく、憐れんでいるように見えた。

「ど、どうして、つまらないってわかるんですか。読んでもいないのに」

質問というよりか、抗議する口ぶりで僕はその男に言った。
読まなくともわかるさ、とその男は言った。

「つまらなそうな顔をしている君が書く小説が、面白いわけがない」

反射的に反論しようとしたが、言葉が出てこなかった。
つまらなそうな顔をしているのかと急に恥ずかしくなった。
そして、おそらく、見ている方が憐れんでしまうほどにそのとき、僕は赤面してしまったのだろうと思う。
赤面を意識するとますます恥ずかしくなって、赤面を増すという、赤面負のスパイラルの始まりだった。

面白いことがあると思って上京してきた。
都会になら、僕が成功してもいい余地が多くあるだろうと思った。
すぐに、僕の才能を誰かが見出してくれるだろうと思った。
けれども、そんなことはなかった。
誰も、僕を認めてくれはしなかった。
誰も、僕の話を聞こうとはしなかった。
僕は、単に、理由もなく大きな風呂敷を広げる、田舎から出てきた「誇大妄想家」だった。

男はしばらく僕の様子を見つめ、一旦、ためらうように窓の外のバイパスを行き交う車を見るともなしに目で負い、ふたたび僕を見ると、試すような眼差しでこう言った。

「小説家に、なれると言ったら、君はどうする?」

訝しげな僕の視線に気づくと、その男は、言い訳するかのように続けて言った。

「何も、へんな勧誘とか、そういうんじゃない。いっそ、ファンタジーだと思って聞いてほしい」

僕が、頷くこともせず、かといって、否定もしないでじっとその男の顔を見つめていると、それを「肯定」と受け止めたらしい。
その男は、言葉を繋いだ。

「天狼院書店という本屋が、池袋にある――」

そんな本屋の話、僕は聞いたことがなかった。
そう言おうとすると、男は、わかっている、と手を僕の目の前に突き出すようにして言った。

「君はそんな書店のことなんて、聞いたことがないだろう。聞いたことがあるはずない。そう、ファンタジーだと思ってくれ」

ため息ながらに、僕は、わかりました、と言った。なぜか、その男の話を聞いてみたくなった。妙な親近感も覚えた。僕の考えをまるで読めるかのように先回りして言葉を遮られるのも、不思議と腹立たしくなかった。

「その本屋、てん・・・・・・」

「天狼院書店」

「はい、天狼院書店がどうしたんですか?」

よく聞いてくれた、とでもいうように、その男は僕の顔を指して頷いた。

「作家を出すことにしたんだよ」

「本屋が作家を出す? 出版社じゃなくて、本屋が?」

そう、とその男は、自信に満ちた目で頷く。

「もう、プロの文芸編集者に来てもらうことも決まっている」

「プロの文芸編集者・・・・・・」

おもわず、ゴクリと唾を呑み込んでしまった。

「25年間小説の編集をしてきて、とある出版社で文芸編集長、編集部長にまでなった人が書いた小説を見てくれる」

僕がどうしても今会いたい人だった。何としてでも会って僕の書いたものを見てほしい人だった。

「さらに、現役の小説家を招いて、どうやって小説家になったのか、小説家として食べていくにはどうすればいいのかを徹底して教えてもらうことにもなっている。それだけじゃない――」

と、その男は、興奮した面持ちで、畳み掛けるようにして言った。

「その書店がOKを出せば、出版社でその小説が出版されることも決まっている」

「文学賞に応募しなくても、ですか!?」

大きな声で、そう言っていた。普通なら、文学賞という狭き門を何とか通過して、ようやく、文芸誌などに小説を書かせてもらうことになる。それでも、作家としてデビューできるとも限らない。

そう、とその男は頷いた。

「それだけじゃない。天狼院書店は、今は全国に3店舗しかないが、これが今、拡大していて、数年後には少なくとも10店舗体制になる。その天狼院書店が、全面的に売ることをバックアップする」

待ってください、と僕は言った。なかなか、頭が追いついてこない。

「それじゃあ、あなたは、プロの編集者や現役の作家が小説の書き方を教えてくれて、しかも、文学賞を通過することなく本を出版できて、さらには本を全国で売ってくれる本屋があるって言ってるんですね?」

自分で口にしてみると、いよいよ、胸が高鳴ってきた。
そんな、理想的なこと、あるだろうか。
夢みたいな話、あるだろうか。
それは、まさに、僕がほしいと思っていた仕組みだった。

その男は、うん、としっかりと頷いて見せた。

「どう思う? そんな本屋があったとしたら」

「そんな、いうまでもありませんよ。行きたい! そこにどうしても行きたい!」

なぜか、僕の視界は曇った。目からは、涙が溢れ出ているようだった。
何をやってもうまくいかない僕にとって、すべてを打開するチャンスのように思えた。
唯一開かれた希望の扉のように思えた。

唐突に泣いてしまって、自分でもどうしていいかわからなかったが、その男は動揺することもなく、じっと、僕を見つめているようだった。
なぜか、哀しい目をして、僕を見ているようだった。

その目を見て、僕は気づいた。袖で、涙と鼻を拭って、あえて笑ってみせた。

「そうでしたね、ファンタジーでしたね。そんな都合のいいところ、あるはずがない」

いや、とその男は静かにいった。

「本当にあるんだよ、天狼院書店は。けれども、君は行けないんだ。今の君はね」

「つまらない小説しか書けないから?」

そうかもしれない、とその男はふっと笑った。

「本当に皮肉な話だよ。ありていに言えば、君のために、天狼院書店を創った。けれども、君を連れていくことはできない」

「僕の、ために・・・・・・。まさか、タイムスリップして、未来から来たとか?」

「ああ、そうさ、2015年から来た」

知ってるよ、と僕はその男の顔を指した。

「あれでしょ? 『バック・トゥ・ザ・フューチャー2』で、マーティーとドクが行った未来だね」

今、気づいたように、その男は目を見開いて言った。

「たしかに、そうだったね、2015年は『バック・トゥ・ザ・フューチャー2』の未来だ、僕が来たのは」

そして、そのフレーズが気に入ったように笑った。

試しに、僕は聞いてみた。

「未来は、何か、変わった?」

その男は、僕が開いている貝殻のかたちをしたアップルのiBookというノートパソコンを指して言った。

「その10倍はバッテリーが持って、その2,000倍は固まらない、MacBook Airというノートパソコンがある」

それはいい、と僕は笑った。今もちょうど画面が固まって、どうしようかと思っていたところだった。

「そして、天狼院書店という変わった書店がある。2015年の未来にはね」

「今じゃなくてもいい。僕も行けるかな、その本屋に」

それに対して、その男は即座に大きく頷いた。

「それは、間違いない。約束するよ」

ふっと、気持ちが軽くなるように思えた。まるで、真っ暗闇だった洞窟の先に、わずかに光が指したように思えた。
突然、うーんと唸り声を上げながら、ふたたび、貝殻のiBookが動き出した。
なんとか、書き続けられそうだった。

「ちなみに、そのとき僕は・・・・・・」

ふたたび視線を上げると、目の前には誰もいなかった。

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天狼院書店店主の三浦でございます。

僕は今、天狼院書店を経営しておりますが、元々は、小説家になることが夢でした。

20代のほとんどの時間を、小説を書くことに費やしてきました。

そう、上の物語に出てきた「僕」は昔の僕でした。

そもそも、本屋になったのは、生活費を稼ぐためで、当時の僕の人生のほとんどは小説を書くことに費やされていました。

具体的にいえば、一日平均原稿用紙40枚書き続けていました。それを10年ほど続けました。

ひとりよがりの小説を書き続け、江戸川乱歩賞にのみ、応募し続けていたのですが、いつも、予選は残っていても、いいところで落選してしまう。しかも、その作品に対して、何が良くて、何が悪かったのかを教えてくれるわけでない。

賞は1年に1回しかなく、その不確かなチャンスに人生を賭すのはあまりに危険過ぎる。

小説家になる講座というものは、大学を含めて数多く存在していましたが、本当に小説家を出すという実績があった講座は極めて稀でした。
どう考えても、小説家になりたい若者たちの夢を食い物にしているとしか見えないものが多かった。

たとえば、とある芸術大学の文芸学科などは、毎年数百人高い入学費を払って入学したとしても、一人も小説家になれない年のほうが多いのが現状です。
入学金として120万円。そして、毎年100万円ほど支払った結果、小説家を生めないのだとすれば、その学科や講座が存在する意味は、いったい、どこにあるのでしょうか?

たしかに、狭き門を突破して小説家になることは難しいことです。けれども、その難易度を大義名分とした「夢を食い物にする仕組み」は世の中に数多く存在しているのに「夢を実現する仕組み」があまりに少ないように僕には思えました。

様々なメディアでも公表しているように、僕が天狼院書店を創った目的は、「READING LIFEの提供」、すなわち、本とその先にある体験までも提供することですが、その裏の目的として、常に僕の念頭にあったのは、埋もれている若い才能を世の中に送り出すことでした。

この度、出版社のディスカヴァー21さんと天狼院書店がコラボすることによって、僕の大きな夢のひとつが、叶えられようとしています。 そうです、「本気で小説家を出すプロジェクト」を本格的に始めようと決めました。

それこそが、この「天狼院文芸部(小説家養成ゼミ)」です。

講師の先生も、本気モードの方を招くことに決めました。
実業之日本社さんで、文芸の編集長、担当部長を歴任し、今野敏先生や有栖川有栖先生、東川篤哉先生などの担当編集として、数々のヒット作を世に送り出した、関根亨氏を講師として招聘することになりました。

さらに、本ゼミには様々な現役の作家の先生や編集者の方、場合によっては、出版社の営業の方まで招いて行こうと考えております。

天狼院書店がこの「天狼院文芸部」の設立に、どれくらい真剣なのかを示すために、僕は2つの条件を用意いたしました。

1 天狼院文芸部出身の小説家が出す作品は、天狼院書店が1,000冊買い切って、全国の天狼院書店で全力で拡大販売する。

2 天狼院文芸部出身の小説家が出す作品は、劇団天狼院で演劇化する。

1の条件は、天狼院書店店主としてのオファーであり、2の条件は、劇団天狼院主宰としてのオファーです。
このオファーに対して、いち早く反応してくれたのが、出版界でも常に最前線を行き、数々の才能をいち早く見出してきた、ディスカヴァー21の干場弓子社長でした。干場社長も、奇しくもフィクション事業部を立ち上げて間もなく、新しい才能を発掘しようとお考えでしたので、天狼院とディスカヴァーさんの思惑が一致したことになります。

それなので、「天狼院文芸部」の優先出版権は、ディスカヴァー21「フィクション事業部」に委ねたいと思っております。
そして、もし、ディスカヴァー21さんのカラーにその小説が合わない場合は、天狼院が全力で他の出版社さんでの発表の機会を模索します。

それというのも実は、天狼院書店は、作家のエージェントも兼ねており、様々な著者の方をこれまでも世に送り出しているからです。

天狼院全体として、小説家を出すために、1000冊の仕入れと演劇化によって、有り体にいえば、300万円ほどを負担することになります。この数値1つみても、天狼院として、このプロジェクトが本気だということがお分かりいただけるかと思います。

また、出版社さんとしても、1冊の本の出版には編集費、印刷代、営業費など膨大な費用がかかります。

そう、我々は、本気で小説家を出そうと考えているのです。

本気で取り組む才能には、本気で応えようと考えています。

まずは、顧問の関根氏のOKが出た作品を、天狼院で精査します。そこで、店主である僕が、1,000冊買い切りのOKと演劇化のOKを出した後に、ディスカヴァー21の干場社長に作品を持っていきます。そこで、干場社長のOKが正式に出れば、その作品は出版されることになります。また、それがダメだったとしても、天狼院が他の出版社さんに持ち込みます。

まとめますと「天狼院文芸部(小説家養成ゼミ)」で小説家になる流れは以下のようになります。

【「天狼院書店文芸部(小説家養成ゼミ)」で小説家になるには】

①12月からの「天狼院文芸部(小説家養成ゼミ)」を半年間以上受講する

↓*最初の半年は「基礎編」という位置づけで少なくとも「短編小説」を書けるようになっていただきます。
③作品を仕上げて、顧問の関根氏のOK(お墨付き)をもらう

④天狼院書店店主の三浦のOK(お墨付き)をもらう

⑤ディスカヴァー21の干場社長のOK(お墨付き)をもらう

*④までいった場合で、⑤でOKが出なかった場合は、他の出版社へ、天狼院書店が持っていき、出版の道を全力を模索いたします。

本気の人だけをお待ちしております。

お会いできるのを楽しみにしております。

どうぞよろしくお願いします。

❏「天狼院文芸部(小説家養成ゼミ)」概要
講義回数:全12回
*単講座のみの受講はできません。ただし、動画や音声のストックがありますので、定員に満たない場合(通信受講も含め)はどの時期からも受講開始することが可能です。
定員:東京20名様/福岡20名様/通信受講20名様
*東京も福岡も大型スクリーンでの生放送での受講となる回もございますが、双方向でやり取りができる新しいシステムを導入しました。
場所:東京・・・東京天狼院(池袋)/福岡・・・福岡天狼院/通信受講・・・全国どこでも
参加費:全12回180,000円
*コミュニティ参加料含む/動画視聴権付/音声ダウンロード権付/Web天狼院書店への投稿チャレンジ権付/他店での受講可
*CLASS天狼院「プラチナクラス」の方は、本イベントに半額で参加いただけます。CLASS天狼院「プラチナクラス」についてはこちらから→【破格の割引サービス】「CLASS天狼院」誕生!〜最上ランク「プラチナクラス」は全店合計100名様限定〜《詳細・決済ページ》
*お支払いは、店頭ご一括、またはPayPalでの一括、および「定期購読(月3万円×6回)」決済をご利用いただけます。
*必ず1ドリンクいただいております。
*お申し込み受付は、決済完了順とさせていただきます。
*定員になり次第、予告なく、締め切らせていただきます。
*お客様都合による返金はいたしかねますのでご了承ください。
*本ゼミにおいて作家としてデビューする際は天狼院書店がエージェントとなり、全面的にバックアップいたします。

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天狼院文芸部(小説家養成ゼミ)《全12回》180,000円一括

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