新宿今昔、あるいは都市にとって文化とは何か
当社、紀伊國屋書店の発祥の地であり、現在も新宿本店という店舗を構える「新宿」とは、いったいどんな街なのでしょうか。
当社の創業者である田辺茂一が活躍した60~70年代の新宿は、新たな文化が次々と生まれる刺激的な街、若者文化のメッカでした。紀伊國屋書店も店舗内に劇場や画廊を併設し、また田辺自身の旺盛な活動もあって、新宿における文化発信の一翼を担っていました。
そして現在、紀伊國屋ビルが変わらず建っている新宿は、一体どんな街になったのでしょうか。何が変わり、何が変わらず、そこにはどんな文化があるのでしょうか。
また、「新宿の文化」とは一体どういう意味なのでしょうか。新宿という都市は、なぜ多くの文化を生み出したのか。またその文化は、新宿という都市とどのような関係にあるのか。都市における文化とは、都市と文化の関係とは一体何なのか。
今回のフェアでは、そんな新宿という街の過去と現在、そして都市という場と文化の関係について考えるための本を、あわせて100点以上集めました。ぜひご来店の上、「新宿」と「都市」について思いを馳せていただきたいと思います。
紀伊國屋書店新宿本店 第一課 藤本浩介
※このフェアは、現在開催中の早稲田演劇博物館特別展、「あゝ新宿―スペクタクルとしての都市」 展開催記念フェアとなっております。
早稲田演劇博物館
特別展「あゝ新宿―スペクタクルとしての都市」 展
http://www.waseda.jp/enpaku/ex/4395/
■場所 紀伊國屋書店新宿本店3F カウンター前フェア台
■日時 2016年6月23日~7月下旬
■お問い合わせ 03-3354-5703(3F直通)
選書の一部を公開
田辺茂一 / 紀伊国屋書店
2014/11出版
ISBN : 9784314011242
価格:¥2,160(本体¥2,000)
明治の終わりの新宿に生まれ、昭和のはじめに22歳で書店を創業。フォードのロードスターで本を運び、
ギャラリーを併設した店内で
同世代の作家や画家たちと文芸誌をつくった若き日から、
戦後の債権を経て、「身を粉にしての遊び癖」で
“夜の市長”と呼ばれた晩年まで―
見渡すかぎりの原っぱから「めくるめく変貌」を遂げた新宿の地で、
文化を育て、発信しつづけた書店のあるじによる回想記、待望の復刊。
[ウェブストア書誌より]
戸沼幸市、青柳幸人 / 紀伊国屋書店
2013/02出版
ISBN : 9784314010993
価格:¥2,376(本体¥2,200)
江戸時代の宿場町として誕生以来、時代を先取りして発展してきた「新宿」のまちの今昔そして未来を、地理地形、街道、遊郭、大名屋敷、上水道、鉄道とターミナル、老舗、歌舞伎町、西口高層街など、土地利用、都市計画の要素も視野に入れながら、様々な切り口で明らかにする。
新宿再開発による、緑あふれる「淀橋・追分・御苑 散策大路・散策小路」の実現も提唱。[ウェブストア書誌より]
中島岳志 / 白水社
2012/08出版
ISBN : 9784560721254
価格:¥1,512(本体¥1,400)
アジア解放への希求と日本帝国主義との狭間で引き裂かれた懊悩の生涯[ウェブストア書誌より]
西堂行人 / 作品社
2015/11出版
ISBN : 9784861825347
価格:¥2,808(本体¥2,600)
ところが太田、瓜生、九条、、扇田の各氏は今は亡く、最後の「証言」となってしまった…。
アングラは過去のものでなく、現在進行中であり、未来の演劇の手がかりである。
そのための歴史的記録として本書をまとめた。
[ウェブストア書誌より]
鴻上尚史 / 論創社
2014/08出版
ISBN : 9784846013561
価格:¥2,160(本体¥2,000)
演劇の歴史に残る名作、待望の改訂版!変わらない。
そして、変わり続ける戯曲。[ウェブストア書誌より]
山下洋輔 / 徳間書店
2016/04出版
ISBN : 9784198940959
価格:¥842(本体¥780)
解説は人気絶頂のサックス奏者菊地成孔。
リズムにのった軽妙な語り口でどんどん描く、各方面でのすごい人々との交流のエピソードや、ジャズとは何かという講演、旅にまつわる面白話など、全8部から構成される文字版・即興演奏。[ウェブストア書誌より]
新宿ピットイン50年史編纂委員会、田中伊佐資 / 河出書房新社
2015/12出版
ISBN : 9784309276694
価格:¥2,592(本体¥2,400)
歌舞伎町のミッドナイト・フットボ-ル 世界の9年間と、新宿コマ劇場裏の6日間
菊地成孔 / 小学館
2010/09出版
ISBN : 9784094085426
価格:¥750(本体¥695)
二一世紀日本を代表するカルチャー・ヒーローが、一九九六年から二〇〇四年の間に書いたさまざまな領域についてのエッセイ・評論の合間に、新宿歌舞伎町のホテルで過ごした六日間の記録が挿入され、音楽の、文学の、映画の、セックスの、料理の、言語学の、精神分析の、格闘技の、愛と憎しみと生と死の、憂鬱と官能と諧謔にまみれたレシピが完成した。
饒舌なトリックスターにしてエレガンとアンニュイの司祭、菊地成孔が贈る、『スペインの宇宙食』に続く第二エッセイ集。[ウェブストア書誌より]
漢 / 河出書房新社
2015/06出版
ISBN : 9784309276052
価格:¥1,620(本体¥1,500)
全ヒップホップ・ファン必携!新宿スタイルはリアルしか歌わねえ──
マイク1本で頂点を競う純粋なるヒップホップの精神とそれを裏切るシーンの凶暴で陰惨なる現実。
ビーフや騙し合いが渦巻く世界でラッパーは何を夢見るのか?日本語ラップを牽引するカリスマによる自伝的「ヒップホップ哲学」の誕生![ウェブストア書誌より]
井野朋也 / 筑摩書房
2014/12出版
ISBN : 9784480432339
価格:¥799(本体¥740)
チェーン店にはない創意工夫と経営と卓抜した味と安さ。
帯=奈良美智 解説=柄谷行人、吉田戦車、押野見喜八郎[ウェブストア書誌より]
川村千鶴子 / 慶応義塾大学出版会
2015/11出版
ISBN : 9784766422665
価格:¥5,940(本体¥5,500)
▼グローバル市民はこうして生まれた多様なルーツをもつ人々が共に暮らすとは、どういうことだろうか?
外国人を単なる「労働力」とみなす発想は、決して豊かさをもたらさない。共に学び、共に遊び、共に働き、共に祈り、共に弔う。それは人々の<人生を受け入れる>ことであり、<生を保障する>ことである。
「日本で最も外国人の集まる街」=「新宿」の外国人問題について長年にわたりフィールドワークを続けてきた著者が、都市のグローバル化の実態と経験を「ライフサイクル」の視点で描き出す。[ウェブストア書誌より]
吉見俊哉 / 河出書房新社
2008/12出版
ISBN : 9784309409375
価格:¥1,296(本体¥1,200)
「浅草」から「銀座」へ、「新宿」から「渋谷」へ―東京における盛り場の変遷を軸に、そこに群れ集う人々がドラマを織りなす劇場としての都市のダイナミズムを活写する。
[ウェブストア書誌より]
田中純 / 東京大学出版会
2007/11出版
ISBN : 9784130101066
価格:¥4,104(本体¥3,800)
川端康成 / 講談社
1996/12出版
ISBN : 9784061963979
価格:¥1,134(本体¥1,050)
不良集団「浅草紅団」の女首領・弓子に案内されつつ、”私”は浅草の路地に生きる人々の歓び哀感を探訪する。
カジノ・フォウリイの出し物と踊子達。
浮浪者と娼婦。
関東大震災以降の変貌する都会風俗と、昭和恐慌の影さす終末的な不安と喧騒の世情をルポルタージュ風に描出した昭和モダニズム文学の名篇。
続篇「浅草祭」併録。[ウェブストア書誌より]
ヴァルタ-・ベンヤミン、浅井健二郎 / 筑摩書房
2015/11出版
ISBN : 9784480096890
価格:¥1,728(本体¥1,600)
ベンヤミンの思考の核を明かす貴重論考集。[ウェブストア書誌より]
前田愛 / 筑摩書房
1992/08出版
ISBN : 9784480080141
価格:¥1,836(本体¥1,700)
このふたつの相関を、幅広い視野と博識のもと、鋭く、エレガントにそして生き生きとして解読してみせた、著者の代表作。
芸術選奨文部大臣賞受賞。
[ウェブストア書誌より]
ギ・ドゥボ-ル、木下誠 / 筑摩書房
2003/01出版
ISBN : 9784480087355
価格:¥1,296(本体¥1,200)
映画は死んだ」と言ってのけるドゥボールにかかっては、あのゴダールさえ小市民的に見えてしまう。
芸術に限らず、思想も政治も経済も、「専門家」に任せきりで、鷹揚にお手並拝見と構えているうちに、いやおうなく「観客」であるしかないどころか、大仕掛けな茶番劇のエキストラに動員されてしまいかねない。
こんな世界のありようと疎外感の大元を、本書は徹底的に腑分けしてくれる。
ほんとうに「何一つ欠けるところのない本」だ。
マルクスの転用から始まるこの本は今日、依然として一個のスキャンダル、飽くなき異義申立てと「状況の構築」のための道具であり、武器であることをやめていない。[ウェブストア書誌より]