寺子屋は町の学校。
読み書きのお手本には能の台本「謡本」が使われ、寺子屋のお師匠さんは、能の謡(詞章)を読み書きのテキストにし、「高砂や〜」を謡わせていたと言います。
文学であり、演劇であり、音楽である「能」の基軸は「コトバ」。
「コトバ」が生み出すリズムは、大昔より国家で推奨され、現代までその法則が使われてきました。
そのリズムが生み出す「芸術」とはいったい何なのか? 誰もが当たり前に触れていることは、もはや理由や訳がわからないもの、忘れ物になっています。
そこで今回の「平成寺子屋 B&B」では、今一度、日本人の忘れ物を取り戻すような2時間をお楽しみ下さい。
【プロフィール】
辰巳満次郎
シテ方宝生流能楽師。東京都目黒区在住。故辰巳孝の次男として神戸市生田区(現中央区)に出生。孝に師事し、4歳で初舞台、香里能楽堂建設と共に大阪寝屋川市に移る。1978年東京藝術大学音楽学部邦楽科に入学と同時に上京し東京で修行を開始、18世宗家故宝生英雄(ふさお)の内弟子となる。1986年独立、1991年まで東京藝術大学の助手を勤める。
東京大阪間の東海道を中心に全国で公演や実技指導、普及活動を行う。
大曲「石橋連獅子」「乱」「道成寺」「翁」など披演。
ニューヨーク国連前広場、メトロポリタン美術館ホール、エジプトスフィンクス前薪能などの海外公演も参画する。他にロンドン・北京・上海・杭州・バンコク・メキシコシティ・ブエノスアイレス・サンチャゴ・ワシントンで公演。
また、伝統的な手法による違和感のない新作活動にも参画し、2006年東西古典芸術文化の融合プロジェクト(羽衣国際大学日本文化研究所制作)として新作能「マクベス」、2008年「楽劇の祭典」源氏物語千年紀(関西楽劇フェスティバル協議会制作)新作能「六条」の演出・主演をする。
2001年重要無形文化財総合指定の認定を受ける。2005年度大阪文化祭賞奨励賞受賞。
社団法人日本能楽会会員。社団法人宝生会会員。金沢より大阪に地盤を移した祖父の孝一郎、父の孝が流儀に於ける関西全域を統括したあとを継ぎ、大阪の宝生流定期能「七宝会」主宰。
「満次郎の会」、「巽会」、「宝生流あまねく会」主宰。
とこわかの会
”とこしえに若く”という日本神道の教えより頂いた「とこわか」。繰り返し再生する事で、水々しいままに永遠を目指すさまを表しており、悠久の時代を経て受け継がれ、そして発展してきた能楽の灯がさらに大きなものとなるように……。能楽の普及と発展に、東奔西走されている辰巳満次郎氏を応援しようと立ち上げたものです。