今回は、≪東京創元社で長く編集者として活躍し1988年より「鮎川哲也と十三の謎」で新人作家を発掘し、北村薫、有栖川有栖、宮部みゆき、山口雅也といった、現在ミステリ界を背負う作家を世に送り出した。また新人文学賞「鮎川哲也賞」を創設し、加納明子、北森鴻、近藤史恵など、錚錚たる作家を輩出する。彼がいなければ、90年代の日本ミステリの隆盛、いわゆる「新本格」の台頭、そして現在のような日本ミステリは存在しなかったといっても過言ではないという、戸川安宣さんにご登場いただけることになりました。
ミステリを愛しミステリに愛された稀代の名伯楽が語るこれまでの、そして、これからの本の世界——。今や伝説となった叢書「日本探偵小説全集」(全12 巻)を企画する一方で、数多くの新人作家を発掘し、戦後の日本ミステリ界を牽引した編集者、戸川安宣さんは、稀代の「読み手」であり、「編み手」であり、さらには全国でも珍しいミステリ専門書店「TRICK+TRAP」の運営にも携わるという「売り手」でもありました。
今回はその編集者人生をまとめた『ぼくのミステリ・クロニクル』刊行を記念し、著者である戸川安宣さんと、学生時代からの盟友でもある北村薫さん、そしてデビュー以来の親交を重ねる有栖川有栖さんに、「ぼくらのミステリ・クロニクル」について存分に語りあっていただきます。ぜひご参加下さい。
出演者プロフィール
戸川安宣(とがわ・やすのぶ)
1947年長野県生まれ。立教大学文学部卒。
大学在学中に立教ミステリ・クラブを創立。東京創元社で編集長、編集部長、社長、会長、特別顧問、相談役を歴任。「創元推理文庫」のほか「バルザック全集」、「ヴィリエ・ド・リラダン全集」などの企画、編集に関わる。
編集長時代には、当時翻訳ミステリ中心だった東京創元社で「日本探偵小説全集」を企画。その後の日本ミステリ界の動向に深甚な影響を与える。2004年、日本の本格ミステリの発展に尽くした功績を評され、講談社の編集者宇山日出臣とともに第4回本格ミステリ大賞特別賞を受賞。また、2003年から2007年まで、吉祥寺でミステリ専門書店「TRICK+TRAP」の運営に携わる。
編著に仁木悦子『私の大好きな探偵』、杉みき子『マンドレークの声』、著書に『少年探偵団読本』(共著)など。
北村薫(きたむら・かおる)
1949年埼玉県生まれ。早稲田大学第一文学部卒。
大学時代はワセダミステリクラブに所属。高校で教鞭を執りながら執筆を開始。
1989年『空飛ぶ馬』で作家デビュー。
1991年『夜の蝉』で日本推理作家協会賞受賞。
2006年『ニッポン硬貨の謎』で本格ミステリ大賞(評論・研究部門)を受賞。
2009年『鷺と雪』で直木賞受賞。
本格ミステリ作家クラブ 2代目会長。
著作に『覆面作家は二人いる』『スキップ』『飲めば都』『八月の六日間』『太宰治の辞書』『中野のお父さん』など多数。エッセイや評論、編集の分野でも活躍している。
有栖川有栖(ありすがわありす)
1959年大阪府生れ。同志社大学法学部卒。
大学時代は推理小説研究会に所属。書店勤務を経て、
1989年『月光ゲーム』で作家デビュー。
2003年『マレー鉄道の謎』で第56回日本推理作家協会賞を受賞。
2008年には『女王国の城』で第8回本格ミステリ大賞を受賞。
本格ミステリ作家クラブ初代会長。著書に『双頭の悪魔』『46番目の密室』『絶叫城殺人事件』『乱鴉の島』『闇の喇叭』『幻坂』『鍵の掛かった男』など多数。
『ぼくのミステリ・クロニクル』刊行記念トークイベント
出 演:有栖川有栖(作家)、北村薫(作家)、戸川安宣(編集者)
開催日:平成28年11月19日(土)
時 間:13:30開場 14:00開演
会 場:隆祥館書店5階 多目的ホ-ル
参加費:4,000円 (内訳:参加費760円+『ぼくのミステリ・クロニクル』3,240円 )
当日の場合:4,500円(内訳:参加費1,260+『ぼくのミステリ』3,240円) (要予約・事前購入制とさせていただきます。申込み順)
振込先
三井住友銀行上町支店(普通) 1353923
カ)リュウショウカンショテン
申込み・お問合せ
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TEL:06-6768-1023
住所:大阪市中央区安堂寺町1-3-4 谷町6丁目⑦番出口向かい
Eメ-ル:ryushokan@eos.ocn.ne.jp
主催:隆祥館書店
後援:国書刊行会