2016年12月2日(金)

『あのこは貴族』(集英社)刊行記念 山内マリコ トーク&サイン会(特別ゲスト:速水健朗・おぐらりゅうじ)

logo_abc10011月末に、最新刊『あのこは貴族』を上梓した山内マリコさん。東京生まれの箱入り娘と地方生まれの雑草系女子の出会いを軸に、結婚をめぐるアラサー女子たちの葛藤と成長を描く長編小説です。また本作は、いままで地方に生きる女子のリアリティを描いてきた山内さんが、初めて「東京」に焦点を当てた、新境地の一作でもあります。

コラムサイトcakesでの試し読みでも人気を博している『あのこは貴族』について、cakesの人気連載「すべてのニュースは賞味期限切れである」の速水健朗さんとおぐらりゅうじさんのコンビをお迎えし、東京/地方、男性/女性、上流階級/一般庶民など、さまざまな視点から語り合います。

山内マリコさんコメント
上京して10年が経ち、そろそろ東京を描きたいなぁと思うようになりました。なかでも、「これは東京に住んでみないとわからないことだった」最たるものが、東京には貴族がいる、ということでした。「下から慶應」がどれだけ特権階級的なステイタスなのか、上京してきた人には感覚としてよくわからない。そういう一部の人たちが、世襲で政治家になって日本を動かすのが「普通」であるのも、地方出身者からすると斬新に思えたのでした。階層の固定化とはこのことか、と。

東京のお金持ちを2年ほど取材して回りましたが、知れば知るほどその世界は、テリトリーも人間関係も狭くてとても保守的。彼ら特有の「地元に居続けてる」感は、わたしがよく知るいわゆるマイルドヤンキー的なものと、根っこの部分は似ている気がしないでもなかったり……。

ゲスな好奇心で上品な世界を描きましたが、同時にこれが女性たちにかけられた呪いを解く、新たな物語であると感じていただければ幸いです!

山内マリコ やまうち・まりこ
1980年、富山県生まれ。2008年に「女による女のためのR-18文学賞」で読者賞を受賞。受賞作を含む『ここは退屈迎えに来て』で作家デビュー。地方に生きる女子たちのリアリティを見事に描き出す作風で人気を集める。主な著作に『アズミ・ハルコは行方不明』『さみしくなったら名前を呼んで』、『パリ行ったことないの』、『かわいい結婚』など。16年12月に『アズミ・ハルコは行方不明』が、蒼井優主演・松井大悟監督で映画化予定。

概要
日程:2016年12月2日 (金)
時間:19:00~20:30 開場 18:30~
料金:1,080円(税込)
定員:50名様
会場:本店内 小教室

お問合せ先
青山ブックセンター 本店
03-5485-5511 (10:00~22:00)

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書籍情報
『あのこは貴族』
東京生まれの箱入り娘 VS地方生まれの雑草系女子!?
東京の箱入り娘・華子は、30歳を間近に控えて彼氏に振られ、焦っていた。お見合いを重ねてやっと弁護士・「青木幸一郎」と出会う。一方、地方生まれの美紀は、経済的な事情で慶應大学を中退。夜の世界を経て、今はIT企業で働いている。腐れ縁の男友達・「青木幸一郎」とのだらだらした関係が継続中。育った環境が違って、出会うはずのなかった女二人。同じ男をきっかけに二人が出会うとき、それぞれ新たな視界が拓けて――。 東京の「上流階級」を舞台に、結婚をめぐるアラサー女子たちの葛藤と成長を描く、渾身の長編小説。

山内マリコ著
1500円+税
集英社

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