ルネ・マグリットと聞いて、あなたはどんなイメージを思い描くでしょうか?
「これはパイプではない」という一文とともに描かれたパイプ、部屋を占拠する巨大なリンゴ、山高帽を被ってスーツを着た無表情な男性……そのどれもが、一度見たらなぜか忘れられない、たしかにマグリットの作品だと思わされるイメージが思い浮かぶのではないでしょうか。
しかしマグリットの作品が、マグリット本人の意思とは異なる文脈で、彼の母国・ベルギーと強く結びつけられていたことをご存知でしょうか。その実態を明るみに出した『ルネ・マグリット 国家を背負わされた画家』の刊行を記念し、著者の利根川由奈さんとゲストを迎えて、トークイベントを開催いたします。
ゲストには、日本のシュルレアリスム研究を牽引する鈴木雅雄さんと、「ダリ展」「マグリット展」などを企画された学芸員の南雄介さんをお呼びします。研究と美術館の第一線でご活躍されるお二人を交え、皆さんの知るマグリットが「裏切られる」ようなトークが飛び出す一夜に、ぜひいらしてください。
特に、今年話題の展覧会「ベルギー奇想の系譜ーーボスからマグリット、ヤン・ファーブルまで」をご覧になった方、またこれから観覧される方にとっては、より一層聞き逃せないトークになること間違いなしです!
鈴木雅雄(すずき・まさお)
早稲田大学教授。シュルレアリスム研究。近代視覚文化史のなかにシュルレアリスムを位置づけることが現在の課題。著書:『シュルレアリスム、あ るいは痙攣する複数性』(平凡社、2007年)、『シュルレアリスム美術を語るために』(共著、水声社、2011年)、『マンガ視覚文化論』(共編著、水 声社、2017年)、他。
南 雄介(みなみ・ゆうすけ)
愛知県美術館館長。1959年鳥取県生。東京藝術大学大学院美術研究科修士課程修了。東京都美術館、東京都現代美術館、国立新美術館での勤務を経て、2017年より現職。キュレーターとしては、日本の現代美術の展覧会、欧米のシュルレアリスムを中心とする20世紀美術の展覧会(ピカソ展、マン・レイ展、シュルレアリスム展、マグリット展、ダリ展など)を、主として手がけている。著訳書に、「もっと知りたい マグリット 生涯と作品」(共著、東京美術)、カルボコレッシ著「マグリット」(翻訳、西村書店)など。
利根川由奈(とねがわ・ゆうな)
1985年横浜市生まれ。早稲田大学非常勤講師。京都大学大学院人間・ 環境学研究科博士後期課程研究指導認定退学。博士(人間・ 環境学)。専門は美術史、文化政策史。 著書に『ルネ・マグリット 国家を背負わされた画家』(水声社)、『魅惑のベルギー美術』(共著、神戸新聞総合出版センター)。
時 間 _ 19:30~21:30 (19:00開場)
場 所 _ 本屋B&B 世田谷区北沢2-12-4 第2マツヤビル2F
入場料 _ 1500yen + 1 drink order