西井一夫は「文字は読めればいい」と言い、澤井信一郎は「映画はシナリオが残ればいい」と言い、森山大道は「写真は最終的にはコピーでいい」と言った。
近代出版=流通システムの「配給された自由」のなかで思考停止した「美しい本」、既得権益確保のアリバイに過ぎない「書物文化の豊かさ」の先にある、本の最終局面、あるいは本の魂とは何か?
知恵蔵裁判(1995–99)、『文字百景』(1995–2000)、『印刷史研究』(1995–2000)、日本語の文字と組版を考える会(1996–99)等々、DTP黎明期の百家争鳴における知的ラディカリズムの継続を意図し、「ただの本を作りたい」というモットーのもと、『ブックデザイナー鈴木一誌の生活と意見』と『アイデア』379「ブックデザイナー鈴木一誌の仕事」の製作に携わった3人が語る、これが現代日本語編集=デザインの最前線。
※10月14日(土)18時~
連続対談 ページと文体の力と科学 鈴木一誌×山本貴光 トークイベント開催
鈴木一誌 すずき・ひとし
ブックデザイナー。1950年東京都生まれ。杉浦康平のアシスタントを12年間つとめ、1985年に独立。映画や写真の批評も手がけつつ、デザイン批評誌『d/SIGN』を戸田ツトムとともに責任編集(2001-2011年)。神戸芸術工科大学客員教授。著書に『画面の誕生』(みすず書房)、『ページと力』、『重力のデザイン』(共に青土社)、戸田ツトムとの共著『デザインの種』(大月書店)など。新刊に初のエッセイ集となる『ブックデザイナー鈴木一誌の生活と意見』(誠文堂新光社)がある。
郡淳一郎 こおり・じゅんいちろう
オルタナ編集者。1966年名古屋市生まれ。早稲田大学第一文学部フランス文学専修卒。ビクター音楽産業を振り出しに『キネマ旬報』、フィルムアート社、『ユリイカ』を転々。おもな編集書に鈴木一誌+知恵蔵裁判を読む会編『知恵蔵裁判全記録』(太田出版)、矢川澄子『いづくへか』(筑摩書房)、高橋信行編『足穂拾遺物語』(青土社)、『アイデア』354「日本オルタナ出版史」、367「日本オルタナ文学誌」、368「日本オルタナ精神譜」、『組版造形 白井敬尚』(DNP文化振興財団)など。
長田年伸 ながた・としのぶ
デザイナー/編集者。1980年東京生まれ。中央大学で中沢新一の薫陶を受け、春風社編集部を経て、朗文堂新宿私塾でタイポグラフィを学ぶ。日下潤一のアシスタントをつとめ2011年に独立。おもな仕事に小宮山博史編『タイポグラフィの基礎』(誠文堂新光社)、前橋重二『レオナルド・ダ・ヴィンチ』、橋本麻里『変り兜』(以上、新潮社)、『ことのは』(自主製作)、鈴木一誌『ブックデザイナー鈴木一誌の生活と意見』、『アイデア』379「ブックデザイナー鈴木一誌の仕事」など。
日程:2017年10月28日 (土)
時間:17:30~19:00 開場 17:00~
料金:1,350円(税込)
定員:110名様
会場:本店 大教室
お問合せ先
青山ブックセンター 本店
電話:03-5485-5511
受付時間:10:00~22:00