「1970年代、工作舎が刊行した雑誌および書籍を舞台とするエディトリアルデザインとブックデザインの展開は、出版デザイン史に特筆される成果を残したといってよいだろう。」(『工作舎物語』冒頭より)
いまや日本はデザイン王国である。だがいまから40年ほど前、70年代前半ごろまでの出版デザインはまだまだ立ち遅れていた。そうしたなかで松岡正剛・杉浦康平のコンビが率いる工作舎は生まれた。それまでの雑誌や書籍にはなかったヴィジュアル的な側面に力を注いだ新しい挑戦と、独自の編集力や濃密な世界観は全国の若者を魅了し、また多くの才能を生み出した。
本書は、松岡正剛、戸田ツトム、芦澤泰偉、松田行正、森本常美、祖父江慎らの証言で構成されており、「パンの耳が常用食」「トイレで寝る」など度肝をぬく集団生活のありさま、異様なまでのものづくり現場の熱気が語られている。
デザイナー、編集者、ものづくりに携わるすべての人が必見のトークイベント!
《プロフィール》
■臼田捷治(うすだ・しょうじ)
1943年長野県生まれ。『デザイン』(美術出版社)元編集長。現在、文字文化、グラフィックデザインの分野で執筆活動。女子美術大学非常勤講師。著書に『装幀時代』『現代装幀』『装幀列伝』『杉浦康平のデザイン』などがある。
■芦澤泰偉(あしざわ・たいい)
1947年静岡県出まれ。アートディレクター、装幀家。初期工作舎で舎内スタッフとして二年間活躍。第10回毎日現代美術展」入選。1991年 『思潮社と芦澤泰偉の装幀展』1996年 『四・六の力 芦澤泰偉装幀展』(ともに王子製紙・銀座ペーパー・ギャラリー)、2003年第37回造本装幀コンクール展で『武満 徹全集(全5巻)』の装幀で経済産業大臣賞受賞。2005年第2回横浜トリエンナーレ(現代美術展)でアートデレクションを手がける。
■松田行正(まつだ・ゆきまさ)
1948年静岡県生まれ。グラフィックデザイナー、アートディレクター、装丁家、著作家。マツダオフィス及び、出版社「牛若丸出版」主宰。多摩美術大学造形表現学部デザイン学科非常勤講師。2006年著書「眼の冒険」のブックデザインで講談社出版文化賞受賞。2010年『もうすぐ絶滅するという紙の書物について』で第45回造本装幀コンクール文部科学大臣賞。初期工作舎の外部スタッフとして3年ほど関わる。
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出演 _
臼田捷治(『デザイン』(美術出版社)元編集長、女子美術大学非常勤講師)
芦澤泰偉(アートディレクター、装幀家)
松田行正(グラフィックデザイナー、アートディレクター、装丁家、著作家)
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時間 _
20:00~22:00 (19:30開場)
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場所 _
本屋B&B
世田谷区北沢2-12-4 第2マツヤビル2F -
入場料 _
1500yen + 1 drink order