今春、映画『港町』が公開・絶賛され、息つく間もなく次回作『ザ・ビッグハウス』が公開間近の想田和弘さん。初めてアメリカで撮った観察映画『ザ・ビッグハウス』製作の背景とアメリカ再発見の日々を『THE BIG HOUSE アメリカを撮る』(岩波書店)で書き下ろしました。全米最大のアメフトスタジアム「ザ・ビッグハウス」に集い、働く人々にカメラを向けるというこのプロジェクトは、折しもアメリカ大統領選挙の真っ只中に撮影。これまでの作品とはかなり勝手の違う、学生たちとの共同作業や編集過程での悪戦苦闘などについて、ユニークな社会事象の切り口で知られるライターの武田砂鉄さんと語っていただきます。また、特別ゲストとして当日は、この映画『ザ・ビッグハウス』製作プロジェクトに想田さんを誘い込んだご本人にして共同監督、日本映画研究者として知られるマーク・ノーネスさんにもご登壇いただき、本作の見所や世界のドキュメンタリー映画事情、大学芸術系学部の学びの実態など、貴重なお話を伺いたいと思います。どうぞお楽しみに!
映画『ザ・ビッグハウス』
想田和弘 そうだ・かずひろ
1970年生まれ。映画作家。93年からニューヨーク在住。「観察映画」と呼ぶドキュメンタリーの方法を提唱・実践。作品に『選挙』(2007)、『精神』(08)、『Peace』(10)、『演劇1』(12)、『演劇2』(12)、『選挙2』(13)、『牡蠣工場』(15)、『港町』(18)などがあり、最新作『ザ・ビッグハウス』が6月9日より渋谷シアター・イメージフォーラムなどで劇場公開予定。国際映画祭などでの受賞多数。著書に『精神病とモザイク タブーの世界にカメラを向ける』(中央法規出版)、『なぜ僕はドキュメンタリーを撮るのか』(講談社現代新書)、『演劇VS映画————ドキュメンタリーは「虚構」を映せるか』(岩波書店)、『日本人は民主主義を捨てたがっているのか?』(岩波ブックレット)、『熱狂なきファシズム————ニッポンの無関心を観察する』(河出書房新社)、『カメラを持て、町へ出よう————「観察映画」論』(集英社インターナショナル)、『観察する男————映画を一本撮るときに、監督が考えること』(ミシマ社)など。
武田砂鉄 たけだ・さてつ
1982年東京都生まれ。出版社を経て、2014年秋よりフリーライターに。著書に『紋切型社会————言葉で固まる現代を解きほぐす』(朝日出版社、第25回Bunkamuraドゥマゴ文学賞受賞)、『芸能人寛容論———テレビの中のわだかまり』(青弓社)、『コンプレックス文化論』(文藝春秋)、『日本の気配』(晶文社)など。想田和弘著『熱狂なきファシズム』の編集者でもある。
マーク・ノーネス Markus Nornes
ミシガン大学映像芸術文化学科・アジア言語文化学科教授。研究分野はアジア映画、日本映画、ドキュメンタリーなど。著書に『日本映画研究へのガイドブック』(アーロン・ジェローとの共著、ゆまに書房)、Forest of Pressure:Ogawa Shinsuke and Postwar Japanese Documentary,University of Minnesota UP、Cinema Babel: Translating Global Cinema ,Minnesota UPなど。近刊に『日本戦前映画論集———映画理論の再発見』(ゆまに書房)。
日程:2018年6月5日 (火)
時間:19:00~20:30 開場 18:30~
料金:1,350円(税込)
定員:110名様
会場:本店 大教室
お問合せ先
青山ブックセンター 本店
電話 03-5485-5511
受付時間 10:00~22:00
書籍情報
『THE BIG HOUSE アメリカを撮る』
想田和弘/著
1,800円+税
16人の映画作家とともに、全米最大のアメフト・スタジアムに集い、働く人々にカメラを向けた映画づくりは、折しも大統領選挙の激動期、アメリカを再発見するプロセスとなった。気鋭の映画作家が新たな挑戦を綴る。「あとがき」=マーク・ノーネス。