「この書物はまさに、ピストルが発射されてから被害者が死ぬまでに経過した二四時間の物語だ」(『消しゴム』原書・解説より)
20世紀中盤、フランスで沸き起こった文学運動〈ヌーヴォー・ロマン〉。その旗手ロブ=グリエの代表作『消しゴム』は、安部公房やポール・オースターなど世界中の作家たちに大きな影響を与えたと言われています。読みやすい新訳で甦った本書を読むと、この作品が既存の小説の枠を利用しつつも、実に型破りで、野心的な作品であることがわかります。作者ロブ=グリエはその後も文学における創作を続けた一方、1960年代には映画製作にも乗りだし、スキャンダラスな作品群で話題となりました。
しかし、なぜロブ=グリエはこのような活動を始め、何を目指したのでしょうか。またヌーヴォー・ロマンの熱狂から半世紀が経過した現在も色あせないロブ=グリエ作品の魅力の秘密はいったいどこにあるのでしょうか。今回の読書会では、『消しゴム』の翻訳者であり、映画評論でも知られる中条省平さんをお招きし、ロブ=グリエ・ワールドについてたっぷり語って頂きます。
なお、ロブ=グリエが映画監督を務めた6作品を公開する「アラン・ロブ=グリエ・レトロスペクティブ」が11月下旬より全国順次開催されます。その予習としてもぴったりのトークショーです。
(聞き手:光文社古典新訳文庫・創刊編集長 駒井稔)
光文社古典新訳文庫が紀伊國屋書店電子書籍Kinoppyとコラボレーションして開催するReaders Club読書会(Reading Session)、第47回です。
日時:2018年11月29日(木)18:30~ (開場18:15)
場所:紀伊國屋書店新宿本店 9階イベントスペース
定員:50名
参加費:無料
参加方法:2018年10月29日(月)午前10:00より2階レジカウンターにてご予約を承ります。お電話でのご予約も同日より承ります。
お問い合わせ 新宿本店2階カウンター 03-3354-5702
*イベントは1時間30分~2時間程度を予定しております。トーク終了後ご希望の方には講師の著書・翻訳書にサインをお入れします。
*19:30以降の入場はお断りさせて頂く場合がございます。あらかじめご了承ください。
【講師紹介】
中条省平(ちゅうじょう・しょうへい)
1954年生まれ。学習院大学教授。フランス文学研究のほか、映画・文学・マンガ・ジャズ評論など多方面で活動。主著に『恋愛書簡術』『反=近代文学史』『フランス映画史の誘惑』。訳書に『狭き門』(ジッド)、『マダム・エドワルダ/目玉の話』(バタイユ)、『恐るべき子供たち』(コクトー、共訳)、『肉体の悪魔』(ラディゲ)、『花のノートルダム』(ジュネ)、『消しゴム』(ロブ=グリエ)、『にんじん』(ルナール)ほか多数。