19世紀のフランスの文豪フローベールといえば、まずは長篇『ボヴァリー夫人』あるいは『感情教育』を思い浮かべる方が多いかと思います。
しかし、研ぎ澄まされた文体の効果がフルに発揮され、物語に深みと味わいを与えている短篇集『三つの物語』もまた見逃すことのできない作品です。
実際、『三つの物語』こそをフローベールの最高傑作とみなす識者もいるほどで、フランスではとてもポピュラーな古典作品のひとつとなっています。
無学な召使いの人生を、それに寄り添うように描いた「素朴な人」、城主の息子で、血に飢えた狩りの名手ジュリアンの数奇な運命を綴った「聖ジュリアン伝」、サロメの伝説を下敷きに、ユダヤの王宮で繰り広げられる騒動を描く「ヘロディアス」――
時代も味わいも違う三つの短篇を通じて、フローベールは何を試み、何をなしとげているのでしょうか。
今回の読書会では、本書を新訳された谷口亜沙子先生をお招きし、『三つの物語』に凝縮されたフローベール文学の魅力について、たっぷりと語っていただきます。(聞き手:光文社古典新訳文庫・創刊編集長 駒井稔)
光文社古典新訳文庫が紀伊國屋書店電子書籍Kinoppyとコラボレーションして開催するReaders Club読書会(Reading Session)、第48回です。
○日時:2018年12月21日(金)18:30~(開場18:15)
○場所:紀伊國屋書店新宿本店9階イベントスペース
○定員:50名
○参加費:無料
○参加方法:2018年11月30日(金)午前10:00より2階レジカウンターにてご予約を承ります。お電話でのご予約も同日より承ります。
○お問い合わせ:新宿本店2階カウンター03-3354-5702
*イベントは1時間30分~2時間程度を予定しております。トーク終了後ご希望の方には講師の著書・翻訳書にサインをお入れします。
*19:30以降の入場はお断りさせて頂く場合がございます。あらかじめご了承ください。
【講師紹介】
谷口亜沙子(たにぐち・あさこ)
1977年生まれ。早稲田大学文学学術院博士課程フランス文学専攻単位取得退学。
パリ第7大学文学博士。博士論文の主題はミシェル・レリス。現在、明治大学文学部仏文科准教授。
専門は「詩(ポエジー)」を中心とした近現代のフランス文学。
著者に『ジョゼフ・シマ無音の光』(水声社)。訳書に『大いなる酒宴』(ドーマル)など。