小さな場所を根拠とする文学を励まし、日本語に変わりゆく声を与える、プロジェクト型文学賞、それが「鉄犬ヘテロトピア文学賞」 。
第1回に下道基行と中村和恵、第2回に横山悠太と井鯉こま(+特別賞として松田美緒)、第3回に石田千と姜信子、第4回に崎山多美と仲野麻紀を選出してきた本賞ですが、本年度は初めて翻訳文学の作品を選出しました。シャマン・ラポガン作/下村作次郎訳『大海に生きる夢――大海浮夢』(草風館)です。
海に生きる台湾原住民としての自分の生涯を鋭利に分析しながら、東アジアのみならず全世界の先住民世界の苦境をよく窺わせ、同時 にまさに現在進行形の世界文学と呼ぶにふさわしい圧倒的な筆力で、人間がこの地球で生きることの意味への注意を喚起してくれる自伝文学です。長年、台湾原住民文学の翻訳・紹介に携わってきた下村さんの訳文はそれによく応え、日本語の文学作品として第一級のものとなっています。
今回の贈賞式では、鉄犬ヘテロトピア文学賞選考委員会(事務局=木村友祐)による正賞(木村勝一氏作の鉄犬燭台)授与、下村作次郎さんとシャマン・ラポガンさんの記念スピーチにつづき、シャマン・ラポガンさん、姜信子さん、井鯉こまさんの鼎談を行います。司会・進行は管啓次郎。
クリスマス直前の一夜、東アジアと海と文学について、一緒に語り合ってみませんか。
【出演】
シャマン・ラポガン
下村作次郎
姜信子
井鯉こま
木村友祐
管啓次郎
通訳_池田リリィ茜藍
時間 _ 19:00~21:00 (18:30開場)
場所 _ 本屋B&B 東京都世田谷区北沢2-5-2 ビッグベンB1F
▼入場料
■前売1,500yen + 1 drink order
■当日店頭2,000yen + 1 drink order