2019年2月16日(土)

【野蛮(アナーキー)のススメ】白石嘉治 × 栗原康トークイベント「世界の徴候性を取り戻し、今を生きよ!」 『文明の恐怖に直面したら読む本』(Pヴァイン)『アナキズム』(岩波新書)刊行記念

【ジュンク堂 難波店】
白石:世界を「徴候」として捉えることが、太古から人類の自然。だから、人々は、「文明の支配」に抵抗を繰り返してきた。それを、「歴史的同時性」と呼びたい。
栗原:いつだって、いましかねえ、きっとそういう「いま」を生き続けるのが自由ってもんなんだとおもう。人生は爆弾である。ひとは無数の自分をもっている一丸となってバラバラに生きろ!
肝胆相照らす二人の、丁々発止の対談。

【プロフィール】
白石嘉治(しらいし・よしはる)
1961年生まれ。上智大学ほか非常勤講師。
著書に『ネオリベ現代生活研究序説』(新評論)、『不純なる教養』(青土社)、『文明の恐怖に直面したら読む本』(Pヴァイン)がある。

栗原康(くりはら・やすし)
1979年埼玉県生まれ。東北芸術工科大学非常勤講師。
著書に『大杉栄伝―永遠のアナキズム』(夜光社)、『現代暴力論』(KADOKAWA)、『村に火をつけ、白痴になれー伊藤野枝伝』(岩波書店)、『死してなお踊れ-一遍上人伝』(河出書房新社)、『菊とギロチン』(タバブックス)、『文明の恐怖に直面したら読む本』(Pヴァイン)、『アナキズム』(岩波書店)など多数。

【日時】
2019年2月16日(土) 15:00開演

【会場・受付】
3階カウンター前特設会場。電話予約可。入場料無料(定員30名)
ジュンク堂書店 難波店
TEL 06-4396-4771

『文明の恐怖に直面したら読む本』
栗原康 白石嘉治著
一八〇〇円 p ヴァイン
東西のアナキストたちを研究しながら、空也や一遍にも強い関心を寄せる栗原康。
一七世紀フランス文学を中心に、縄文時代から現代までを広い射程で視野に収める白石嘉治。
肝胆相照らす二人の対話は、時空を縦横無尽に駆け巡りながら、テーマは「いかに文明の支配から抜け出すことが出来るか」に一貫し、揺るがない。
「文明」の支配のロジックは、「表象」、記号の世界の構成であり、それらに抗うために必要なのは、「徴候性」を取り戻すことだと、白石は言う。
“たとえば山を歩いているときに、草むらがゆれる。それが風なのか、ウサギなのか、あるいはクマなのか。
死活問題として、瞬時に判断しなければいけない”。
世界を「徴候」として捉えることが、太古から現代に至るまで人類の自然であり続けた。
だからこそ、カミーヒトーモノと「支配」の主体が交替する中で、支配される側の抵抗=反逆は繰り返された。
白石は、それを「歴史同時性」と呼び、過去は「いま」に包み込まれていると言う(読書は、そのことを実現させる行為)。
だが、「自由」を求める人類は、常にその「自由」自体に縛られるという陥穽に嵌ってきた。
記号の世界がグローバルに蔓延する現在、特に大切なのは、「自由」の呪縛からも解放されることなのだ。
二人が依拠する「アナキズム」は、だから「自由主義」でも「個人主義」でもない。
人が生きていく上で絶対に不可欠な、「相互扶助」の思想なのである。
栗原は言う。
“他人に迷惑をかけずに生きられるやつなんていねえんだよ”。
(『書標』2018年10月号)

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