【ジュンク堂 池袋本店】
NHK出版より「学びのきほん」という新シリーズが創刊されまました。
「学びのきほん」は、「生きた学びを手に入れる」をコンセプトに、あらゆる教養の扉を開く「学び直し」シリーズ。
古今東西の教養の「きほん」を1テーマ学ぶことができる、安価で軽くてコンパクトな1冊です。
安田登さんは、その創刊第2弾で『役に立つ古典』を上梓されました。
本書は『古事記』『論語』『おくのほそ道』『中庸』という4つの古典の読み解き方を指南し、それらが私たちの人生にどのように役に立つのかを論じたものです。
今回のイベントでは、本書に収載できなかった「役に立つ古典」についてお話しいただきます。
テーマは2つの「こい」。まずは「恋」。本当の「恋」は実は平安時代の最後に日本から消滅している、と安田さんは言います。
例えば万葉集に「恋死ぬ」という言葉があるような日本人の精神の古層には何が潜んでいるのでしょうか。
また、「恋」は「乞い」とも書くように、人に何かが欠けている状態も指します。「乞い」が示す欠落感とは何か。なぜ人は乞い続けるのか。
「乞い」を紐解くことで今の日本人に必要な「アイデンティティの型」が見えてくる、と安田さんは言います。
物語、和歌、能……あらゆる古典を縦横無尽に語りつくし、日本人にとって「こい」の何が役に立つのか考えていきます。
【講師紹介】
安田登(やすだ・のぼる)
1956年千葉県生まれ。下掛宝生流ワキ方能楽師。高校時代に能と出会う。
ワキ方の重鎮、鏑木岑男師の謡に衝撃を受け、27歳で入門。
現在はワキ方の能楽師として国内外を問わず活躍し、能のメソッドを使った作品の創作、演出、出演などを行うかたわら、『論語』などを学ぶ寺子屋「遊学塾」を全国各地で開催。
日本と中国の古典の“身体性”を読み直す試みにも取り組んでいる。
著書に『能 650年続いた仕掛けとは』(新潮新書)、『身体感覚で『論語』を読みなおす。』(新潮文庫)、『すごい論語』『あわいの力』(ミシマ社)、『身体感覚で「芭蕉」を読みなおす。』(春秋社)、『日本人の身体』(ちくま新書)など。
開催日時:2019年07月30日(火) 19:30~