2019年7月27日(土)

ミヤギフトシ × 町屋良平「親密さと距離、そのあわい」 『ディスタント』(河出書房新社)刊行記念

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現代美術の分野で活躍されているミヤギフトシさんが、2017年から18年にかけて文芸誌で発表した3つの小説「アメリカの風景」「暗闇を見る」「ストレンジャー」を収録した小説集『ディスタント』が、4月に刊行されました。
ミヤギさんにとって初の小説となる本書でも、これまでに写真や映像などで発表してきた作品と同様に、自身の記憶や体験に向き合い、国籍や人種、アイデンティティといったテーマを扱っています。

沖縄・大阪・東京・ニューヨーク、ケルアックの『路上』、サリンジャーの『フラニーとズーイー』、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』、『となりのトトロ』、『ファイナルファンタジー』、レディオヘッド、エリオット・スミス…。
小説では、さまざまな土地や生活で出会った人や、ポップカルチャーに紐付く記憶、それらとの現在の距離、そしてアイデンティティの揺らぎについて、行き来する意識の流れに沿うような独自の文体で表現されています。

これらの作品をめぐって、B&Bでは著者のミヤギフトシさんと、「1R1分34秒」で第160回芥川賞を受賞した町屋良平さんをお招きしてトークイベントを開催します。
ミヤギさんは、町屋さんの作品の中にみられる、「男性性の揺らぎ、人と人との親密さや独特の距離感」に関心を寄せられています。
また、町屋さんはボクシングやダンスといった肉体運動を言葉で記述すると同時に、その内面で起こる目まぐるしい意識の変化を克明に描写されており、そういった身体と意識と言葉をめぐる関係は、ミヤギさんの小説とも通底する興味深いテーマにも思えます。
初顔合わせとなる新進作家2人の刺激的な対話に、ぜひご期待下さい。

【出演者プロフィール】
ミヤギフトシ(みやぎ・ふとし)
1981年沖縄県生まれ。2005年ニューヨーク市立大学卒業。
現代美術作家としての主な個展に「How Many Nights」(ギャラリー小柳、2017年)、「American Boyfriend: Bodies of Water」(京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA、2014年)、グループ展に「小さいながらもたしかなこと 日本の新進作家 vol.15」(東京都写真美術館、2018-19年)ほか。
2012年にスタートしたプロジェクト「American Boyfriend」では、自身の記憶や体験に向き合いながら国籍や人種、アイデンティティといった主題について、映像、オブジェ、写真など、多様な形態で作品を発表。『ディスタント』が初めての小説作品となる。

町屋良平(まちや・りょうへい)
1983年東京都生まれ。
2016年、「青が破れる」で第53回文藝賞を受賞しデビュー。
2019年、「1R1分34秒」で第160回芥川賞を受賞。
著書に『青が破れる』『しき』『ぼくはきっとやさしい』(以上、河出書房新社)、『1R1分34秒』(新潮社)、『愛が嫌い』(文藝春秋)がある。

時間 _ 15:00~17:00 (14:30開場)
場所 _ 本屋B&B 東京都世田谷区北沢2-5-2 ビッグベンB1F
▼入場料
■前売1,500yen + 1 drink order
■当日店頭2,000yen + 1 drink order

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