誰もが情報発信者になれる時代です。皆さんご存じのように、もはや「出版」という行為は「本」に限定して考えた場合でも、出版社を通じて取次から書店へ、書店から読者へ、という単純な流通ではありません。コミックマーケットやコミティア、文学フリマなどの同人誌即売会で紙の本を頒布したり、Kindleダイレクト・パブリッシングや楽天Koboライティングライフなどのデジタルプラットフォームで電子書籍を販売したりと、個人のセルフパブリッシング(自己出版)でもさまざまな手段を利用できるようになりました。ブログやTwitterなどへの投稿も、広義では「出版」行為だと言われています。
これだけ「出版」が簡単にできるということは、多くの人が日々、無自覚に著作物を生み出しているということです。つまり、誰もが権利や法律について知っておくべき時代になったと言っても過言ではありません。しかし、作品の無断転載や盗作、権利者の詐称など、毎日のようにどこかで問題が起きています。身近になった「出版」にまつわるトラブルに、「自らの不手際で巻き込まれない」「自分の作品や自分自身を守る」ための基本原則を皆さんに知っていただきたいと考え、今回の講演を企画いたしました。
出演者は、4月24日にインプレスから発売された『クリエイターが知っておくべき権利や法律を教わってきました。著作権のことをきちんと知りたい人のための本』の著者である鷹野凌氏および監修の福井健策氏となります。本書籍が出版される大きなきっかけのひとつとなったシンポジウム「電子書籍時代に出版社は必要か?」の話題から、TPP知財条項問題、二次創作やセルフパブリッシングで起こる問題事例や、ブログやTwitterなどの身近な話まで、広義の「出版」にまつわる権利や法律についてお話しいただきます。
【出演者プロフィール】
■著者 鷹野 凌(たかの・りょう)
フリーライター。『ITmedia eBook USER』『INTERNET Watch』『マガジン航』『ダ・ヴィンチニュース』『ダ・ヴィンチ』などのWeb媒体や雑誌を中心に出版業界関連、特に著作権やセルフパブリッシング(自己出版)、電子出版、書評などの記事を数多く執筆。セルフパブリッシングについての情報交換や作家同士の交流などを目的とする団体、NPO法人日本独立作家同盟の理事長で、同団体が発行する雑誌『月刊群雛』の編集長。2015年度より実践女子短期大学にてデジタル出版演習の非常勤講師を務める。近著は『クリエイターが知っておくべき権利や法律を教わってきました。著作権のことをきちんと知りたい人のための本』。
http://www.wildhawkfield.com/
Twitter: @ryou_takano
■監修者 福井健策(ふくい・けんさく)
弁護士・ニューヨーク州弁護士。1991年東京大学法学部卒業。1993年弁護士登録(第二東京弁護士会)。米国コロンビア大学法学修士課程修了(セゾン文化財団スカラシップ)。骨董通り法律事務所代表パートナー、日本大学芸術学部客員教授、国会図書館審議会・文化庁などの委員、「本の未来基金」理事、「さいとう・たかを劇画文化財団」理事、think C 世話人、東京芸術大学兼任講師などを務める。主な著書に『18歳の著作権入門』(ちくまプリマー新書)、『著作権とは何か』『著作権の世紀』(集英社新書)、『「ネットの自由」vs.著作権: TPPは、終わりの始まりなのか』(光文社新書)、岡田斗司夫との共著で『なんでコンテンツにカネを払うのさ? デジタル時代のぼくらの著作権入門』(CCCメディアハウス)など多数ある。
http://www.kottolaw.com/
Twitter: @fukuikensaku
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出演 _
鷹野凌(フリーライター)
福井健策(弁護士)
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時間 _
20:00~22:00 (19:30開場)
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場所 _
本屋B&B
世田谷区北沢2-12-4 第2マツヤビル2F -
入場料 _
1500yen + 1 drink order