2019年12月3日(火)

第2回〈語ることの力〉畑中章宏 「連続レクチャー 宮本常一『忘れられた日本人』(岩波書店)再読」

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前回好評をいただいた宮本常一著『忘れられた日本人』を読み解く連続レクチャーの第2回を開催します。

今回は、『忘れられた日本人』のなかでも最もよく知られる「土佐源氏」をはじめ、「土佐寺川夜話」「梶田富五郎翁」「私の祖父」を読みながら、無名の民衆が語り始めるとは、いったいどんな意味を持つのかについて、民俗学者の畑中章宏さんと考えていきます。

「土佐源氏」は高知県の山間部、檮原村の橋の下に住む、盲目の馬喰(牛馬の仲買商人)の一人語りです。
名も知られない一人の男が振り返る数奇な人生、なかでも女性との交渉にまつわる活き活きとした証言は、多くの人々の感情を揺さぶってきました。

この短編は最初、宮本常一が編集者として名を連ねた『日本残酷物語』(平凡社刊・全7巻・1959~61年)に、「土佐檮原の乞食」と題して発表されました。『日本残酷物語』自体が、大きな歴史から見過ごされてきた“生活誌”を束ねたシリーズだったのです。

『日本残酷物語』には宮本の『忘れられた日本人』と並ぶ“語りの名作”、石牟礼道子の『苦海浄土』の原型も収録されています。

名もなき民衆はなぜ語り始めたのか? 庶民の“饒舌”になぜ光が当てられるようになったのか?  21世紀における「ナラティブ」とは? といった問題について一緒に考えましょう。

既読の方も、未読の方も、第1回にご参加いただけなかった方もぜひお越しください!

第3回〈伝承の方法〉(予定) 2020年2月4日(火)

【出演者プロフィール】
畑中章宏(はたなか・あきひろ)
民俗学者。
『災害と妖怪』 (亜紀書房)、『ごん狐はなぜ撃ち殺されたのか』『蚕』(晶文社)、『『日本残酷物語』を読む』(平凡社新書)、『天災と日本人』(ちくま新書)、『21世紀の民俗学』(KADOKAWA)、『死者の民主主義』(トランスビュー)など著作多数。

時間 _ 20:00~22:00 (19:30開場)
場所 _ 本屋B&B 東京都世田谷区北沢2-5-2 ビッグベンB1F
▼入場料
■前売1,500yen + 1 drink order(税別)
■当日店頭2,000yen + 1 drink order(税別)
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