2019年12月28日(土)

斎藤真理子「韓国現代文学入門〜その4 ハン・ガン『少年が来る』(クオン)」

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回を重ねる毎に面白さを増して、また深まっている斎藤真理子さんの韓国現代文学入門講座もいよいよ第4回目。
監修した完全版「韓国・フェミニズム・日本」も刊行され、その全体像が徐々に明らかになっていく中、いよいよアジア人初のマン・ブッカー国際賞を受賞した作家、ハン・ガンを取り上げます。
年の瀬、じっくりと濃密な小説世界に浸ってみませんか。

今回は、ハン・ガン『少年が来る』井手俊作訳(クオン)を取り上げます。

2020年は光州事件40周年にあたります。

1980年5月18日、韓国全羅南道の光州を中心として起きた民主化抗争、光州事件。戒厳軍の武力鎮圧によって5月27日に終息するまでに、夥しい数の活動家や学生や市民が犠牲になりました。

抗争で命を落とした者がその時何を想い、生存者や家族は事件後どんな生を余儀なくされたのか。その一人一人の生を深く見つめ描き出すことで、「韓国の地方で起きた過去の話」ではなく、時間や地域を越えた現代にも生きる鎮魂の物語です。

光州で子供時代を過ごしたハン・ガンがいかにして「暴力」というテーマと向かい合う作家になっていったか。彼女の未邦訳の小説や光州をめぐる他の作品(詩など)も合わせて紹介しつつ、考えます。あらかじめ読んでいただければベストですが、もちろん読んでいなくてもOKですよ。

以降、『広場』(チェ・インフン)、『1945、鉄原』(イ・ヒョン)、『生姜』(チョン・ウニョン)、『外は夏』(キム・エラン)、『フィフティ・ピープル』(チョン・セラン)、『娘について』(キム・ヘジン)、『ショウコの微笑』(チェ・ウニョン)などを取り上げる予定です(変更あり)。

【出演者プロフィール】
斎藤真理子(さいとう・まりこ)
1980年に大学のサークルで朝鮮語の勉強を始め、91~92年にちょこっとソウルに語学留学。
韓流ブームには完全に乗り遅れてました。
ながーいブランクのあと、『カステラ』(パク・ミンギュ著、ヒョン・ジェフンとの共訳、クレイン)で第1回日本翻訳大賞。
訳書『こびとが打ち上げた小さなボール』(チョ・セヒ、河出書房新社)『誰でもない』(ファン・ジョンウン、晶文社)『フィフティ・ピープル』(チョン・セラン、亜紀書房)、『82年生まれ、キム・ジヨン』(チョ・ナムジュ、筑摩書房)など。
責任編集を務めた新刊『韓国・フェミニズム・日本』(河出書房新社)が11月下旬刊行予定。韓国を楽しみ・味わい・語らう雑誌『中くらいの友だち』(韓くに手帖舎・皓星社)創刊メンバー。

時間 _ 19:00~21:00 (18:30開場)
場所 _ 本屋B&B 東京都世田谷区北沢2-5-2 ビッグベンB1F
▼入場料
■前売1500円+ドリンク500円(ともに税別)
■当日2000円+ドリンク500円(ともに税別)

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