ジュンク堂書店 池袋本店
開催日時:2015年10月03日(土)19:30 ~
辻村 益朗 (装丁家)
電子書籍のリーダーに呼び出される作品――コンテンツ、と称されるあれは、ひとことで言って「情報」です。内容は様々でも、くるんでいる器はみな同じ。それに対して紙の本は三次元の「もの」です。一つ一つに違った形と大きさがあり、重さがあり、手ざわりや匂いや音までがある。固有の顔と体を持っている、と言い換えてもいいでしょう。装丁、ブックデザインと呼ばれる仕事は、作品に、その内容にふさわしい顔と体を与え、「もの」としての本を魅力的に立ち上がらせるいとなみです。
そこで――辻村益朗という装丁家を知っていますか? 知らない? では、『いない いない ばあ』はご存じない?『ペレのあたらしいふく』は?『ゆき』は?〈タンタンの冒険旅行〉シリーズはどうでしょう。〈福音館古典童話シリーズ〉は、フレーベル館の〈日本むかし話〉シリーズはいかがでしょうか? 1964年から現在に至るまで、子どもの本の世界で幅広く本作りに関わってきた辻村さんが丹精こめて送り出した作品を、あなたはきっといくつも手にしているはずなのです。本という媒体とその歴史、絵画表現の変遷、本をめぐる技術・技法から資材に至るまでに深く通じた辻村さんに、装丁という現場から見た子どもの本の世界を、ぞんぶんに語っていただきたいと思います。
【講師紹介】
辻村益朗(つじむら・ますろう)
1934年、愛知県岡崎市生まれ。愛知学芸大学(現・教育大学)美術科卒。装丁、レイアウト、挿絵など多岐にわたる児童書の本作りのほか、『死霊』(埴谷雄高)、『田紳有楽』(藤枝静雄)、『源氏物語』(瀬戸内寂聴)ほか、文芸書の装丁も数多く手がける。
児童書での仕事は、1960年『きつねのよめいり』(松谷みよ子文/瀨川康男絵/福音館書店)に始まって、すでに半世紀を超えている。〈福音館古典童話シリーズ〉では、1968年『二年間の休暇』から2015年『狐物語』までの42冊を担当、さらに続行予定あり。〈福音館文庫〉は2002年から2015年まで約130冊、これも続行中。2003年フレーベル館刊行の「日本むかし話」は、通常版と愛蔵版の計16点。高校が同窓の画家・版画家・絵本作家、瀨川康男と組んだ仕事も、上記の『きつねのよめいり』のほか、『いないいないばあ』(童心社)、『ジャックと豆のつる』(岩波書店)など数多い。
また、編・作・絵を含む自著に『本のれきし5000年』『伝承おりがみ』『かいぶつぞろぞろ』(いずれも福音館書店)ほかがある。
★入場料はドリンク付きで1000円です。当日、会場の4F喫茶受付でお支払いくださいませ。
※事前のご予約が必要です。1階サービスコーナーもしくはお電話にてご予約承ります。
※トークは特には整理券、ご予約のお控え等をお渡ししておりません。
※ご予約をキャンセルされる場合、ご連絡をお願い致します。(電話:03-5956-6111)
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