瀬戸内海の島々を舞台に、2010年から3年に一度開催されている「瀬戸内国際芸術祭」。
その出品作品の中でも特異な人気を誇る「漂流郵便局」の作家・久保田沙耶さんが、2016年度の会期を終えて、福岡にやってきます。
瀬戸内海の粟島で、かつて実際に郵便局として使われていた建物を利用して生まれた美術作品「漂流郵便局」は、思いを直接伝えることができない人に宛てた手紙を預かる郵便局。
「NHKニュースおはよう日本」や読売・朝日・産経新聞各社、その他さまざまなメディアで紹介され、現在までに約2万通の手紙が、全国からこの郵便局に寄せられています。2016年には英国漂流郵便局も開局、ブライアン英国局長が粟島を訪問しました。
現代美術家であり、東京藝術大学大学院美術研究科に現在も在学中の久保田さんは、作家活動の傍ら、2015年に美術修復のアーティストインレジデンスリサーチャーとしてCity & Guilds of London Art School(ロンドン)に留学。ロンドンでの個展の後、現在は、「心の考古学を軸とした芸術のはじまりを見定める論文」を執筆中とのこと。
記憶と時間をテーマに創作を続ける彼女が、瀬戸内国際芸術祭2016年の会期を終えた今、感じていることとは?
昨年のロンドン滞在、今回初訪問する九州の地で感じたこととは?
久保田沙耶さんとは旧知の仲であり、この秋には粟島を訪問したライターの佐藤渉が、彼女の本質に迫ります。
※粟島の漂流物を使って、久保田さん自身が製作したオリジナルアクセサリーの販売も行います。(数量限定)
久保田 沙耶(くぼた さや)
アーティスト。1987年、茨城県生まれ。筑波大学芸術専門学群卒業。現在、東京藝術大学大学院美術研究科博士後期課程美術専攻油画研究領域在学中。日々の何気ない光景や人との出会いによって生まれる記憶と言葉、それらを組み合わせることで生まれる新しいイメージやかたちを作品の重要な要素としている。焦がしたトレーシングペーパーを何層も重ね合わせた平面作品や、遺物と装飾品を接合させた立体作品、さらには独自の装置を用いたインスタレーションなど、数種類のメディアを使い分け、ときに掛け合わせることで制作を続ける。2015年に美術修復のリサーチャーとしてCity & Guilds of London Art School(ロンドン)に留学。プロジェクト「漂流郵便局」(瀬戸内国際芸術祭)、個展「Material Witness」(ロンドン)他、グループ展多数。 cakes「新訳 世界恋愛詩集」挿画担当 https://cakes.mu/creators/568 OPENERS連載「Missing Trace〜ロンドンの記憶と記録のあいだ」
http://openers.jp/article/1066736
聞き手:佐藤 渉(さとう わたる)
フリーランス編集・ライター。1980年、千葉県船橋市生まれ。
横浜国立大学卒。大学時代にアジアを放浪、その後、都内制作会社に勤務し、編集・ライティングの基礎を学ぶ。2010年よりフリーランス、2011年に東京から福岡へと移住し、現在も毎月東京と福岡を往復しながら活動中。元art space tetra運営メンバー。art space tetraでの企画として、元田喜伸写真展『あたらしい心と体』、Russell Scott Peagler写真展『From India』、矢田海里3.11トーク『此岸千日』。他、不定期選書ユニット「Strictly Bookss」、本紹介イベント「羅針本」主催。
時間:18:00〜20:00 (17:30受付開始) / 料金:1500+500yen 1drink