映画の制度に挑戦し、その独自のスタイルが世界を驚かせてきた映画監督・諏訪敦彦さん。
1月より公開中の最新作『風の電話』が、現在話題を呼んでいます。
その公開に先駆け、諏訪監督の初めての単著となる1冊、『誰も必要としていないかもしれない、映画の可能性のために』がフィルムアート社より刊行されました。
本書では、自身の歩みを振り返る書き下ろしの随筆、監督作について語ったインタビュー、教育への思いをつづった文章、出身地・広島を軸にしたエッセイ、北野武やペドロ・コスタなどを扱った映画評、西島秀俊や三浦友和といったキャストから見た諏訪監督に迫るインタビューなどを収録しています。
制作現場、大学の教室、広島、映画館……さまざまな場所で展開された諏訪監督の思考が凝縮されており、その全貌を知ることができる待望の1冊です。
本書の刊行を記念して、トークイベントを開催いたします。
ゲストは、劇場の外に飛び出し、演劇を根源的に問う活動を行なっている高山明さん。
東京や横浜などの都市を鋭く見つめ直すだけでなく、ホームレスや難民の方々、若いラッパーなどバッググラウンドが大きく異なる人々と協働している高山さんに、映画の形式を問い、キャストやスタッフとの新しい関係のかたちを探求してきた諏訪監督の作品や書籍をどう捉えているかをお話しいただきます。
映画や演劇、もっと広く文化の状況が大きく変化している現在において、お二人は今何を考え、そして何を誰と共に生み出そうとしているのか?
諏訪監督の『誰も必要としていないかもしれない、映画の可能性のために』と『風の電話』を切り口に、都市と創作の関係、異なる存在との協働のあり方、そして映画や演劇の可能性とは何か?などについて語っていただきます。
映画と演劇の最前線にいるお二人が、公の場で初めて言葉を交わす貴重な機会です。
映画や演劇に関心のある方はもちろん、芸術・文化に関心のある方はふるってご参加ください。
ここでしか聞けない新たな発見があるはずです。
【出演者プロフィール】
諏訪敦彦(すわ・のぶひろ)
1960年、広島県生まれ。1985年、東京造形大学造形学部デザイン学科卒業。
在学中から山本政志や長崎俊一らの作品にスタッフとして参加する。
1985年、在学中に制作した『はなされるGANG』が第8回ぴあフィルムフェスティバルに入選。
大学卒業後はテレビのドキュメンタリー番組を多数手がける。
1997年、『2/デュオ』で商業デビュー。同作はロッテルダム国際映画祭やバンクーバー国際映画祭などで賞を獲得する。
その後、1999年『M/OTHER』で第52回カンヌ国際映画祭にて国際批評家連盟賞を受賞し、2005年『不完全なふたり』では第58回ロカルノ国際映画祭において審査員特別賞と国際芸術映画評論連盟賞を受ける。
その他の長編監督作に『H Story』『ユキとニナ』『ライオンは今夜死ぬ』がある。
また東京藝術大学大学院映像研究科の映画専攻にて教授を務めるほか、子供を対象にした映画制作ワークショップ「こども映画教室」に講師として多数参加するなど、映画教育にも深く関わっている。
長編最新作である『風の電話』は2020年1月24日に公開。
『風の電話』公式サイト
高山明(たかやま・あきら)
1969年生まれ。2002年、演劇ユニットPort B(ポルト・ビー)を結成。
実際の都市を使ったインスタレーション、ツアー・パフォーマンス、社会実験プロジェクトなど、現実の都市や社会に介入する活動を世界各地で展開している。
近年では、美術、観光、文学、建築、都市リサーチといった異分野とのコラボレーションに活動の領域を拡げ、演劇的発想・思考によって様々なジャンルでの可能性の開拓に取り組んでいる。
時間 _ 20:00~22:00 (19:30開場)
場所 _ 本屋B&B 東京都世田谷区北沢2-5-2 ビッグベンB1F
▼入場料
■前売1500円+ドリンク500円(ともに税別)
■当日2000円+ドリンク500円(ともに税別)