10月3日、森達也さんの新刊『虐殺のスイッチ』が発売されます。
同書は、オウム真理教を扱った『A』や、佐村河内守氏に密着した『FAKE』など、絶えず問題作を仕掛ける映画監督・作家である著者が、これまでの取材体験を元に、生きものの殺生から個人の殺人、そして大量虐殺について考えた、生きものや人の生死に関する著者の思索・議論の集大成である一冊です。
この刊行を記念して、トークイベントを開催します。
家族の誰かが犯罪者になると、残された家族が犯罪の当事者と同様に、一般の人々からつるし上げられ、噴き上がりの対象となることが多くなっています。
本来ならば、残された家族も被害者なのではないでしょうか。にもかかわらず、地域から排除され、名前を隠し、いじめられ、差別されながら暮らしていく人が多くなっています。なかには心身を病み、自殺してしまう人もいます。
「犯罪加害者の家族」という被害者が、日本ではなぜこれほど噴き上がりやつるし上げの対象になるのでしょうか? こうした異常な風土は、どうやって作られてきたのでしょうか? 海外の事情は?
著者の森さんと、ゲストにノンフィクションライターの藤井誠二さんをお迎えして、想像力の欠如がもたらす不条理な憎悪とその行方について、徹底討論していただきます。
【出演者プロフィール】
森達也(もり・たつや)
1956 年、広島県生まれ。オウム真理教を撮影した映画『A』、『A2』を公開。2011 年『A3』(上下巻、集英社文庫)で講談社ノンフィクション賞を受賞。現在は映像・活字双方から独自世界を構築している。2016 年、ドキュメンタリー映画『FAKE』で話題を博す。著書に『死刑』(角川文庫)、『「自分の子どもが殺されても同じことが言えるのか」と叫ぶ人に訊きたい』(ダイヤモンド社)、『ニュースの深き欲望』(朝日新書)など多数。
藤井誠二(ふじい・せいじ)
1965 年、愛知県生まれ。ノンフィクションライター。愛知淑徳大学講師として「ノンフィクション論」等を担当。ラジオのパーソナリティやテレビのコメンテーターもつとめる。著書に、『人を殺してみたかった』(双葉文庫)、『殺された側の論理』(講談社)、『少年A被害者遺族の慟哭』(小学館新書)、『黙秘の壁』(潮出版社)など多数。森達也との共著には『死刑のある国ニッポン』(河出文庫)がある。
時間 _ 20:00~22:00 (19:30開場)
場所 _ 本屋B&B 東京都世田谷区北沢2-5-2 ビッグベンB1F
▼入場料
■前売1,500yen + 1 drink
■当日店頭2,000yen + 1 drink