前回のコラムを書いたあと、書泉さんとお話しして、芳林堂さんのイベント情報を掲載させていただくことになった。嬉しい。すでに何件か記事を掲載させていただいた。
近日中に店舗ご紹介ページも掲載予定。あんなコラムでも書いてみると、なにかのきっかけになるものだ、と思う。
芳林堂さんで買った文庫二冊を読み終わったので、先週(あ、もう先々週か)、中野のあおい書店さんに行った。私の「地元圏」で一番大きな書店であり、かつ私が一番よく行く書店でもある。
と、なると当然「本屋で.comに……」と思うのだけど、残念なことにあおい書店さんはイベントを開催していない。昔は開催していたのだろうか。少なくとも過去5年くらいは見かけた記憶がないし、WEBサイトにはイベント情報のページもない。
スペース的には余裕があるし(特に二階)、中野という土地柄からサブカル系はもちろん、きっと様々なジャンルのイベントで集客できるだろう。現場は毎日お忙しいのだろうけれど、ちょっともったいないと思う。
昔は棚の配置がイマイチという声もあったのだけど、今はどうなのだろう。私自身は随分前に棚の配置も本の並べ方も憶えてしまったので、目当ての本にすぐに辿り着ける。だからあまり正しく評価できない。
今回の目当ての本はこれ。
連城三紀彦さんの『小さな異邦人』。2013年に亡くなった著者の「最後の短編集」の文庫版だ。新刊なので文庫の平台にあった。単行本の装丁とは随分印象が違う。単行本の装丁だったら買わなかったと思う。
今回、買ったもう一冊はこれ。
『でーれーガールズ』原田マハ・著(祥伝社文庫)
原田マハさんは結構書店イベントをやっている作家さんという印象があったのだけど、過去のイベントをチェックしてみたらそれほどでもなかった。そう思ったのはこの写真の印象が強く残っていたせいだろうか。
ここ一年くらいの私の本の購入手順は、まずネットで見かけて気になった本をまとめてアマゾンでチェックする。Kindle版のある本は無料サンプルをダウンロードする。すき間時間にスマホで無料サンプルを読んで、気に入った本は「ほしい物リスト」に入れる。そして書店に行って「ほしい物リスト」を確認しながら本を探し(選び)買うという流れだ。
リアル店舗(例えば家電量販店)で現物チェックをして、買うのはネット通販という購買パターンが、リアル店舗側から見れば「はなはだ悪しき慣習」として定着してしまっているけれど、その逆のパターンだ。つまり、書店での立ち読み代わりにKindle版の無料サンプルを読んでいる。
私のこの購買パターンが一般的なものだとは思わないけれど、「あ、私もそれ、よくやりますね」という人に何人か出会ったことがあるので、私だけがそうしているという訳でもないと思う。
そうやって選んだ本一冊と書店の店頭を見て回って直感で選んだ一冊、合わせて二冊買いというのが最近のパターン。一冊がちょっとシリアスな内容なら、もう一冊は軽め、明るめの本を選ぶ。今回は文春文庫と祥伝社文庫なので、しおりもぱっちんバンドもなかった。
あ、そうそう。とある雑誌に書評のページをいただいた。新刊じゃなくても構いませんよということだったので、先日、芳林堂さんで買った角田光代さんの「私のなかの彼女」の書評を書いた。来月掲載予定。
2016.08.15
バックナンバー
- 【中の人不定期コラム】vol.1 高田馬場 芳林堂書店さんで
- 【中の人不定期コラム】vol.2 中野 あおい書店さんで
- 【中の人不定期コラム】vol.3 二人のマンガ家さんが高野文子さんの『美しき町』を繰り返し読むという。
- 【中の人不定期コラム】vol.4 宮木あや子さんの『校閲ガール』がドラマ化だそうで。
- 【中の人不定期コラム】vol.5 アニメ化された三浦しをんさんの『舟を編む』を観る。
- 【中の人不定期コラム】vol.6 「駅乃みちか」の騒ぎから巡り巡って校閲の仕事に思いをはせる。
- 【中の人不定期コラム】vol.7 InDesignで日本語組版の深淵を覗く。
- 【中の人不定期コラム】vol.8 幸せな原作、不幸せな原作(「海賊とよばれた男」と「3月のライオン」に思うこと)
- 作家さんのサイン会・トークイベントの告知なら、検索最上位の「本屋で.com」にお任せ!
- 【中の人不定期コラム】vol.9 こんな時だから「人類最後の日」について考えてみる